桑木志帆の全英制覇セッティングを公開!メジャー初優勝を支えたクラブとは

桑木志帆の全英制覇セッティングを公開!メジャー初優勝を支えたクラブとは

こんにちは。ゴルフの縁道、運営者のえにしです。

桑木志帆の全英制覇セッティングについて、優勝クラブ14本の内訳やドライバー、アイアン、ウェッジ、パター、使用ボールまで詳しく知りたい方も多いのではないでしょうか。

2026年のAIG女子オープンで、桑木志帆選手はエスター・ヘンゼライト選手とのプレーオフを制し、海外メジャー初優勝を達成しました。強風と深いポットバンカーが待ち受けるロイヤルリザム&セントアンズでの勝利だけに、どのようなクラブセッティングで戦ったのかは非常に興味深いところですね。

今回の優勝セッティングを見ると、単に最新クラブを並べているわけではありません。低スピンのドライバー、球を上げやすいユーティリティ、抜けのよい軟鉄鍛造アイアン、悪条件でもスピンを計算しやすいウェッジを組み合わせ、番手が短くなるほどシャフトを重くする工夫が見えてきます。

この記事では、桑木志帆選手のクラブセッティング一覧を確認しながら、それぞれのクラブが全英女子オープンの難コースでどのような役割を果たしたのかを、シングルを目指すアマチュア目線で分かりやすく紹介します。

  • 桑木志帆選手が全英制覇で使用した14本のクラブ
  • BX1LSや241CBなど各モデルの特徴
  • シャフト重量とロフト構成に隠された狙い
  • アマチュアがセッティングに取り入れたい考え方
目次

桑木志帆の全英制覇セッティング全貌

まずは、桑木志帆選手が2026年のAIG女子オープンで使用したクラブを、ドライバーからパターまで順番に見ていきます。注目したいのは、パターを除くクラブとボールをブリヂストン中心でそろえながら、役割に応じてシャフトの種類や重量を細かく変えている点です。

優勝クラブ14本の一覧

桑木志帆選手の優勝セッティングは、ドライバー1本、フェアウェイウッド1本、ユーティリティ2本、アイアン6本、ウェッジ3本、パター1本という構成です。3番アイアンや4番アイアンを入れず、19度と22度のユーティリティで長い距離をカバーしているところが大きな特徴ですね。

種類モデルロフト・番手シャフト
ドライバーブリヂストン BX1LS9度ディアマナBB53 S
フェアウェイウッドブリヂストン B1ST3W・15度ディアマナWB53 S
ユーティリティブリヂストン BX2HT3U・19度TENSEI 1K HY70 S
ユーティリティブリヂストン BX2HT4U・22度TENSEI 1K HY70 S
アイアンブリヂストン 241CB5I~PWN.S.プロGH850 S
ウェッジブリヂストン BITING SPIN 248度・52度N.S.プロGH950 S
ウェッジブリヂストン BITING SPIN58度N.S.プロGH950 S
パターピレッティ ポテンザLN GSSブレード型純正仕様
ボールブリヂストン ツアーB XSイエロー

私がこの一覧を見て最初に感じたのは、見栄よりも実戦での再現性を重視した構成だということです。女子メジャーの舞台だからといって、難しいロングアイアンをそろえているわけではありません。19度と22度のユーティリティを使い、必要なキャリーと高さを確保しやすくしています。

ウェッジは48度、52度、58度です。4度、6度というロフト差になっており、アイアンのPWからアプローチ用ウェッジへ自然につながるように調整されています。48度は100ヤード前後のフルショットやコントロールショット、52度は中間距離、58度はバンカーやグリーン周りという役割分担を想像しやすいですね。

セッティングの要点

長い距離はユーティリティでやさしくし、短い距離は3本のウェッジで細かく打ち分ける構成です。アマチュアにも取り入れやすい考え方だと思います。

なお、プロのクラブは市販品をベースに、長さ、バランス、ライ角、グリップ、内部重量などが調整されている場合があります。同じモデルを購入しても、まったく同じ振り心地になるとは限りません。正確な製品仕様は各メーカーの公式サイトをご確認ください。

BX1LSドライバーの強弾道

桑木志帆選手が使用したドライバーは、ブリヂストンのBX1LSで、ロフト角は9度です。LSはロースピン系の性格を示す名称で、吹き上がりを抑えながら前へ強く進む弾道を狙いやすいモデルとして位置づけられます。

ロイヤルリザム&セントアンズのようなリンクスコースでは、単純に高い球を打てばよいわけではありません。風が強い日にスピン量が増えすぎると、アゲンストではボールが上空に押し戻され、横風では曲がり幅も大きくなります。そこで、打ち出しの高さを確保しつつ、余分なスピンを減らせるヘッドが武器になります。

BX1LSは、カーボン素材をクラウンやソール側に活用し、余った重量を効果的に配置する設計です。さらに、フェース面でボールの滑りを抑える考え方が取り入れられており、インパクト時のエネルギーを安定して伝えやすくしています。

桑木選手のフェード系弾道と、低スピンヘッドの組み合わせも見逃せません。一般的にフェードは、ドローと比べてスピン量が増えやすい傾向があります。低スピンタイプのヘッドを選ぶことで、フェードの方向安定性を生かしながら、必要以上の吹き上がりを抑えやすくなるわけです。

私もフェードを意識して振ると、ボールが右へ曲がらなくてもスピンが増え、思ったほどランが出ないことがあります。そんなときは、ついロフトを立てたくなりますが、ロフトだけを減らすと球が上がらなくなる場合があります。ヘッドの重心設計、シャフト、打点をまとめて考えることが大切ですね。

アマチュアが選ぶ際の注意点

BX1LSのような低スピンモデルは、もともとスピンが少ない人が使うとドロップして飛距離を失う可能性があります。普段のバックスピン量が少ない方や球が上がりにくい方は、ロフト違いや別モデルも含めて試打したほうが安心です。

低スピンという言葉だけで選ぶのではなく、自分の打ち出し角、ボール初速、スピン量を測定して判断するのがおすすめです。計測数値には使用球や計測器による差があるため、あくまで一般的な目安として捉え、最終的な判断はフィッターなどの専門家にご相談ください。

B1STフェアウェイウッドの役割

3番ウッドには、ブリヂストンのB1STが入っています。ロフト角は15度で、シャフトは三菱ケミカルのディアマナWB53 Sです。ドライバーと同じ50g台のシャフトを選びながら、シリーズをBBからWBへ変えている点が興味深いですね。

3番ウッドは、ティーショットとフェアウェイからの長いショットの両方に使われるクラブです。リンクスコースでは、ドライバーを持つとポットバンカーまで届いてしまう場面や、横風の中でフェアウェイキープを優先したい場面があります。そのような状況では、15度の3Wが安全なティーショット用クラブとして機能します。

一方、芝の上から打つ場合には、低スピンすぎるだけでは十分ではありません。ボールを拾える打ち出しと、グリーンまで運べるキャリーが必要です。B1STは操作性と強い弾道を意識したモデルで、桑木選手のようにボールを上からしっかり捉えられる選手なら、風に負けにくい球を打ちやすい組み合わせだと考えられます。

ドライバーがディアマナBB53、3WがディアマナWB53なので、重量帯は大きく変わりません。ただし、クラブの長さが短くなり、ヘッド重量が増えるため、実際の振り心地は同じではありません。シリーズを変えることで、ティーアップしたドライバーと芝から打つ3Wの役割に合わせて、しなり方やタイミングを調整しているのでしょう。

アマチュアが参考にしたいのは、ドライバーと3Wを同じシャフト名でそろえる必要はないという点です。ドライバーでは振り切れても、地面から打つ3Wでは球が上がらないことがあります。逆に3Wをやわらかくしすぎると、左へのミスや打点の不安定さにつながる場合もあります。

3Wが難しい場合の考え方

15度の3Wを地面から安定して打てない場合は、16.5度前後の4Wや18度前後の5Wに替える方法もあります。最大飛距離より、平均キャリーとミスしたときの結果を基準に選ぶほうがスコアにつながりやすいですね。

フェアウェイウッド選びについては、プロギアRS DUOフェアウェイウッドの特徴と選び方でも、地面から球を上げるためのシャフトやロフトの考え方を紹介しています。

BX2HTユーティリティの狙い

桑木志帆選手は3番、4番アイアンを入れず、BX2HTユーティリティの19度と22度を使用しています。シャフトはTENSEI 1K HY70 Sで、ドライバーと3Wの50g台から、アイアンの80g台へつなぐ70g台の重量帯です。

この2本には、長い距離をやさしく打つだけでなく、セッティング全体を滑らかにつなぐ役割があります。フェアウェイウッドの次がいきなり5番アイアンになると、クラブの長さ、ヘッド形状、シャフト重量が大きく変わります。その間に70g台のユーティリティを置くことで、振り感の急激な変化を抑えられます。

19度と22度はロフト差が3度です。ロフト角だけを見ると近く感じますが、長さも異なるため、実際には一定の飛距離差を作れます。19度は3Wとアイアンの間を埋めるクラブ、22度は5番アイアンより高い球でグリーンを狙うクラブというイメージでしょう。

ロイヤルリザムのように深いバンカーが多いコースでは、低い球で転がすだけではバンカーを越えられない場面があります。ユーティリティならロングアイアンよりも重心が深く、打ち出しを高くしやすいため、必要な場所まで確実にキャリーさせるという選択がしやすくなります。

アマチュアにとっても、これはかなり参考になる構成です。ロングアイアンは芯が狭く、少し打点がずれるだけで高さと飛距離が落ちます。練習場では打てても、傾斜や薄い芝、プレッシャーのある場面では成功率が下がりやすいクラブです。ユーティリティへ替えるだけで、同じ距離をより余裕を持って狙える場合があります。

ユーティリティ選びの基準

  • 一番長いアイアンとの飛距離差を確認する
  • フェアウェイウッドとのキャリー差を確認する
  • ラフからでも抜けるヘッド形状を選ぶ
  • アイアンへ自然につながる重量を選ぶ

ただし、ユーティリティを増やせば自動的にやさしくなるわけではありません。左へつかまりすぎるモデルもあれば、アイアン型で球が上がりにくいモデルもあります。試打ではナイスショットだけでなく、薄い当たりや少し右へ出た球の結果まで確認すると選びやすいですね。

241CBアイアンの抜け性能

アイアンは、ブリヂストンの241CBを5番からPWまで使用しています。シャフトはN.S.プロGH850のSフレックスです。ツアープロが使用する軟鉄鍛造アイアンと聞くと難しそうに感じますが、桑木選手のセッティングでは操作性だけでなく、芝からの抜けと重量バランスが重要なポイントになっています。

241CBは、キャビティ構造を採用しながら、打点周辺に厚みを持たせた形状です。芯で捉えたときの感触を残しつつ、完全なマッスルバックよりもミスへの余裕を持たせています。番手ごとの重心設計も考えられており、長い番手では高さ、短い番手では距離と方向のコントロールを狙いやすい構成です。

特に注目したいのがソール形状です。リーディングエッジ側とトレーリングエッジ側の接地を調整し、芝の抵抗を減らす考え方が採用されています。桑木選手のように上からクラブを入れるタイプは、ソールが地面に刺さりすぎるとヘッドスピードが落ち、フェースの向きも変わりやすくなります。抜けのよいソールなら、ターフを取りながらも振り抜きを保ちやすいですね。

風の中でアイアンの高さを打ち分けるには、フェースの操作だけでなく、インパクト後までヘッドがスムーズに抜けることが重要です。ソールが跳ねすぎても、刺さりすぎても、狙った打ち出しにはなりません。リンクスの硬い地面で241CBを選んだ背景には、顔や打感の好みだけでなく、この抜けへの信頼もあったのではないでしょうか。

N.S.プロGH850は、重量級のツアーシャフトと比べれば軽量です。女子プロが軽量スチールを使うこと自体は珍しくありませんが、桑木選手の場合はウッドの50g台、ユーティリティの70g台から自然につながります。軽さでスピードを保ちながら、スチールらしい安定感も得やすい組み合わせです。

同じアイアンを選ぶ前に

プロが使っているからといって、誰にでも241CBが合うわけではありません。ヘッドスピードが不足すると、5番や6番で高さが出ず、番手間の飛距離差が小さくなる場合があります。その場合は、やさしいアイアンとのコンボ構成も選択肢です。

アイアンは見た目の格好よさだけでなく、7番からPWまでの距離差と、最も長い番手をコースで何割成功させられるかで選ぶと失敗を減らせます。

BITING SPIN 2のスピン力

ウェッジは、48度と52度にBITING SPIN 2、58度に前作のBITING SPINを採用しています。シャフトはいずれもN.S.プロGH950 Sです。アイアンのGH850からウェッジのGH950へ少し重量を増やし、短い距離での安定感を高める流れになっています。

BITING SPIN 2は、フェースをスクエアに使うショットだけでなく、開いて使う場面でもボールへ摩擦を与えやすいミーリングが特徴です。フェース面に複数方向の細かな加工を施すことで、カット気味に当たるショットでもスピンを安定させる考え方ですね。

さらに溝の本数や配置を工夫し、芝や水分が入りやすい状況での性能低下を抑えています。全英女子オープンでは、深いラフ、湿った芝、強風など、スピン量が不安定になりやすい条件がそろいます。そのような状況では、最大スピン量よりも、どのライから打っても結果の差が大きくなりにくいことが重要です。

特に48度は、プレーオフでのリカバリーを象徴するクラブになりました。大きく右へ曲げた後、無理にグリーンを狙わずフェアウェイへ戻し、残り約108ヤードの3打目をピンの近くへ運んでパーを守った流れは、技術だけでなくコースマネジメントの勝利だったと思います。

私たちアマチュアは、ウェッジを見ると58度や60度のスピン性能に注目しがちです。しかし、スコアへ直結しやすいのは、むしろPWとサンドウェッジの間を埋める48度や50度、52度かもしれません。80~110ヤード前後をフルショットだけでなく、抑えた振り幅でも打ち分けられると、パーオンを外した後のボギーを減らしやすくなります。

48度・52度・58度の役割

  • 48度はフルショットと長めのアプローチ
  • 52度は中間距離と転がしを含む万能枠
  • 58度はバンカーや高さが必要な場面

ウェッジのロフト構成は、表示角度だけで決めず、PWの実測ロフトとキャリーを基準にすることが大切です。また、溝は使用によって摩耗し、スピン性能も変化します。競技で使用する場合はルール適合性も含め、正確な情報を公式サイトでご確認ください。

桑木志帆の全英制覇セッティング分析

ここからは、個別モデルの紹介だけでなく、パター、ボール、シャフト重量、ウェッジ構成を含めたセッティング全体の狙いを掘り下げます。プロと同じクラブをそのまま購入するより、なぜそのクラブが選ばれたのかを知るほうが、私たちのクラブ選びには役立ちます。

ピレッティパターの安定感

桑木志帆選手のバッグで、ブリヂストン以外のブランドが使われているのがパターです。使用モデルはピレッティのポテンザLN GSS。伝統的なブレード型の形状にロングネックを組み合わせた、非常にこだわりを感じる一本ですね。

GSSはジャーマンステンレススチールと呼ばれる素材で、削り出しパターの高級素材として知られています。ただし、素材名だけでパットが入るわけではありません。重要なのは、打音、打感、ヘッド重量、フェース加工、ネック形状が選手の距離感やストロークに合っていることです。

ロングネックは、一般的なクランクネックよりもフェースの開閉を抑えやすい特性を持ちます。ブレード型らしい構えやすさと距離感を残しながら、マレット型に近い直進的な動きを取り入れられる点が魅力です。フェースを大きく開閉するストロークより、比較的まっすぐ動かしたい選手に合いやすい形状といえます。

桑木選手は、パッティングで腕を突っ張らず、肘に余裕を持たせて構える形へ調整してきました。腕と肩を動かしやすいアドレスと、フェースの余計な回転を抑えやすいロングネックが組み合わさることで、プレッシャーのかかる場面でも打ち出し方向をそろえやすくなったのでしょう。

全英女子オープンの最終日は、通算5アンダーでクラブハウスリーダーとなった後、ヘンゼライト選手が最終18番で長いバーディーパットを決め、プレーオフへ入りました。プレーオフは2ホール目まで続き、桑木選手がパーを守ってメジャータイトルを獲得しています。

パター選びで確認したいこと

同じブレード型でも、ネック形状によってフェースの開閉量は変わります。見た目だけで選ばず、自然にストロークしたときの打ち出し方向と距離のばらつきを比べることが大切です。

高価なGSSパターでなくても、自分の構え方とストロークに合う重心角やネック形状を選べれば、方向性は安定しやすくなります。パターこそブランドをそろえるより、結果と感覚を優先するという桑木選手の考え方が表れているように感じます。

ツアーB XSイエローボール

使用ボールは、ブリヂストンのツアーB XSイエローです。ツアープロの試合では白いボールが多いなか、桑木選手の黄色いボールは映像でも見つけやすく、彼女らしさを感じさせるアイテムになっています。

ツアーB XSは、ドライバーでの飛距離性能に加え、アプローチでのソフトな打感とスピン性能を重視したツアーボールです。硬いリンクスのグリーンへボールを止めるには、ウェッジだけでなくボールのカバー性能も欠かせません。

クラブとボールの相性は見落とされがちですが、かなり重要です。同じウェッジで打っても、ディスタンス系の硬めのボールとウレタンカバーのツアーボールでは、打ち出しやスピン、着地後の動きが変わります。特に30~70ヤードの中途半端な距離では、ボールによる差を感じやすいですね。

イエローを選ぶ実用的なメリットは、視認性です。曇り空、深いラフ、落ち葉のある季節などでは、白いボールより見つけやすいと感じる人がいます。自分のボールを早く確認できれば、探す焦りが減り、次のショットへ気持ちを切り替えやすくなるかもしれません。

ボールは14本のクラブすべてで使う、唯一共通のギアです。そのため、ドライバーの飛距離だけで選ぶのではなく、アイアンの高さ、ウェッジの止まり方、パターの打音まで確認したほうがよいと思います。

ボールを替える際の注意

ラウンドごとに違うモデルを使うと、アプローチのランやパットの距離感が安定しにくくなります。まずは同じモデルを数ラウンド使い、ショートゲームでの違いを確認するのがおすすめです。

桑木選手が黄色いボールを長く使っている背景には、性能だけでなく、構えたときの安心感や弾道の見やすさもあるのでしょう。私たちも人気ランキングだけに左右されず、実際のコースで見やすく、打感に違和感のないボールを選びたいですね。

ディアマナBBシャフトの特徴

ドライバーにはディアマナBB53 S、3WにはディアマナWB53 Sが装着されています。どちらも50g台ですが、モデルを使い分けることで、それぞれのヘッドとショットの役割に合わせています。

ディアマナBBは、切り返しでタイミングを取りやすく、先端側の余計な動きを抑えながら安定したインパクトを狙うタイプです。軽量帯でも頼りなさを抑える素材設計が取り入れられており、ヘッドスピードを保ちながら左への急なミスを減らしたい選手に合いやすい特徴があります。

桑木選手は、フェードを持ち球として方向性を高めています。フェードを打つ選手にとって、シャフト先端が必要以上に走り、フェースが急に返る動きは避けたいところです。BB53のようにインパクト周辺の挙動を管理しやすいシャフトなら、体を使って振り抜きながら、左へのミスを気にせずスイングしやすくなります。

ただし、53g台のSフレックスだからといって、一般的なアマチュアにも軽くてやさしいとは限りません。シャフトの感じ方は、重量だけでなく、長さ、トルク、調子、ヘッド重量、スイングテンポで大きく変わります。速く振る人でも切り返しが穏やかなら軟らかめが合う場合がありますし、ヘッドスピードが平均的でも切り返しが強ければ、しっかりしたシャフトが合う場合があります。

シャフト選びで優先したい順番

  • 無理なく振り切れる重量
  • 切り返しでタイミングを取れる硬さ
  • 左右のミスが増えないしなり方
  • 適正な打ち出し角とスピン量

試打するときは、最も飛んだ1球ではなく、5球から10球打ったときの平均を見るのがおすすめです。左右の散らばり、打点、ボール初速の落ち込みまで確認すると、本当に自分へ合っているか判断しやすくなります。

シャフトスペックや振動数は製品や組み立て方によって差が出ます。数値はあくまで一般的な目安であり、正確な情報はメーカー公式サイトをご確認ください。購入時の最終的な判断は、信頼できるクラフトマンやフィッターなどの専門家にご相談ください。

重量フローとロフト構成

桑木志帆選手のセッティングで、アマチュアが最も参考にしやすいのが重量フローです。ドライバーと3Wは50g台、ユーティリティは70g台、アイアンは80g台、ウェッジは90g台と、クラブが短くなるにつれてシャフトが段階的に重くなっています。

クラブは短くなるほど、同じ重量のシャフトでは軽く感じやすくなります。短いクラブであるウェッジに少し重いシャフトを入れることで、手先だけの速い動きを抑え、体の回転と同調させやすくなります。反対に、長いドライバーへ重すぎるシャフトを入れると、振り切れずにヘッドスピードが落ちることがあります。

桑木選手の流れは、単純に10gずつ重くしているわけではありません。50g台から70g台、80g台、90g台へ移ることで、クラブの長さと用途に合わせながら、極端な違和感が出ないようにしています。ユーティリティの70g台が、ウッドとアイアンの橋渡しとして機能しているのがポイントですね。

ロフト構成も整理されています。ドライバー9度、3W15度、ユーティリティ19度と22度、その下に5番アイアンが続き、PWの下は48度、52度、58度です。すべてを一定のロフト差にしているのではなく、長いクラブはキャリー差、短いクラブは狙いたい距離とショットの種類を基準にしていると考えられます。

ロフト角の数字が均等でも、飛距離差が均等になるとは限りません。クラブの長さ、反発性能、重心位置、シャフトが異なるからです。セッティングを見直す際は、カタログ上のロフトだけでなく、実際のキャリーを計測する必要があります。

自分の重量フローを確認する方法

各クラブのシャフト重量を書き出し、ドライバーからウェッジへ極端に軽くなる場所がないか確認します。特にユーティリティが軽すぎる場合や、ウェッジだけ急に重い場合は、振り心地が変わる原因になることがあります。

クラブの買い替えと重量の見直しについては、ゴルフクラブの買い替え時期とシャフトを見直す目安でも解説しています。

プレーオフを救った48度ウェッジ

桑木志帆選手の全英制覇を語るうえで欠かせないのが、プレーオフ1ホール目の48度ウェッジです。ティーショットが右の深いラフへ入り、残り距離も長く、いきなり苦しい状況になりました。

この場面で重要だったのは、奇跡的なリカバリーショットを狙わなかったことです。グリーン方向へ無理に打てば、深いバンカーやさらに難しいラフへ入る可能性があります。そこで小田亨キャディと相談し、まずフェアウェイへ出す選択をしました。

レイアップ後の残りは約108ヤード。桑木選手は48度のBITING SPIN 2でピンの近くへ運び、パーを守りました。ヘンゼライト選手がバーディーパットを決められず、勝負は2ホール目へ続きます。そして2ホール目、相手がティーショットを曲げてボギーとする一方、桑木選手はパーを守り、初の海外メジャータイトルを手にしました。

この流れから学べるのは、ピンチでは最高のショットではなく、次のショットを打ちやすい場所へ運ぶという考え方です。アマチュアは林や深いラフへ入ると、一度でグリーンへ近づけたくなります。しかし、難しいショットを失敗してさらに1打使うより、横へ出して得意距離を残すほうがボギーやパーを拾いやすくなります。

48度ウェッジを得意距離のクラブにしていたことも大きいですね。残り100ヤード前後で迷わず持てるクラブがあれば、レイアップ地点を逆算できます。単に安全な場所へ出すのではなく、次に自信を持って打てる距離へ置くことが、本当のコースマネジメントです。

アマチュアが実践したい考え方

  • 深いラフから無理にグリーンを狙わない
  • 次に得意な距離が残る場所へ出す
  • ウェッジごとの基準キャリーを決めておく
  • ダブルボギーを避ける判断を優先する

桑木選手の48度は、単なるクラブ紹介ではなく、セッティングとマネジメントがつながった象徴的な一本です。どれほど高性能なクラブでも、使う場面の判断が合わなければ力を発揮できません。反対に、自信のある距離とクラブを持っていれば、ピンチでも落ち着いてルートを組み立てられます。

桑木志帆の全英制覇セッティング総括

桑木志帆選手の全英制覇セッティングは、パターを除く13本とボールをブリヂストン中心でそろえ、ドライバーにBX1LS、3WにB1ST、19度と22度のBX2HT、5番からPWに241CB、48度と52度にBITING SPIN 2、58度にBITING SPINを組み合わせた構成です。

パターにはピレッティのポテンザLN GSS、ボールにはツアーB XSイエローを使用しています。ブランドを統一することを目的にするのではなく、ショット用クラブでは弾道や打感の流れを整え、パターは自分のストロークと感覚に合うものを選ぶという合理的な組み合わせですね。

最大の特徴は、低スピンのドライバーやツアーアイアンといった目立つモデルだけではありません。ロングアイアンを無理に使わず、19度と22度のユーティリティを入れていること、ドライバーからウェッジへシャフトを段階的に重くしていること、48度、52度、58度で100ヤード以内の距離を整理していることにあります。

私がシングルを目指す立場で特に取り入れたいと感じたのは、難しいクラブを使えることより、ミスをしても次の一打を組み立てられる構成を優先する姿勢です。3番や4番アイアンを抜くことは逃げではありません。高い確率で必要なキャリーを出せるクラブへ替えることは、スコアを守るための前向きな選択です。

また、プレーオフで見せたレイアップと48度ウェッジによるパーセーブは、クラブの性能だけでは優勝できないことも教えてくれます。自分の得意距離を理解し、その距離を残す判断ができたからこそ、ウェッジの性能を最大限に生かせたのでしょう。

桑木志帆セッティングから学べること

  • ロングアイアンにこだわらずUTを活用する
  • クラブが短くなるほど自然に重量を増やす
  • PWからウェッジまでの距離差を整える
  • パターはブランドよりストロークとの相性を優先する
  • 得意なウェッジ距離からコースを逆算する

桑木志帆選手は、2026年のAIG女子オープンで通算5アンダーとし、2ホールに及ぶプレーオフを制して海外メジャー初優勝を達成しました。日本勢によるAIG女子オープン制覇は、2025年の山下美夢有選手に続く2年連続となりました。

今回紹介したスペックや数値は、公表情報をもとにした一般的な目安です。ツアープロの使用クラブには、市販品と異なる細かな調整が加えられている可能性があります。正確な情報はブリヂストンゴルフ、三菱ケミカル、ピレッティなどの公式サイトをご確認ください。

同じクラブを購入すれば同じ弾道になるわけではないため、自分のヘッドスピード、打ち出し角、スピン量、ミスの傾向を確認することも大切です。購入やシャフト交換に迷う場合は、最終的な判断をフィッターやクラフトマンなどの専門家にご相談ください。

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