
こんにちは。ゴルフの縁道、運営者のえにしです。
キャスコの9/9 STRAPにトルクレスが加わりました。もともと36インチで重めのパターなのに、さらにヘッドの回転を抑えると何が変わるのでしょうか。従来の4モデルと見比べると、価格だけでなく重さやロフトにも違いがあり、どちらを選ぶか迷いますよね。
私が気になるのは、短いパットでフェースを合わせ直す動きを減らせるか、そして長いパットでも自然に距離を作れるかです。まっすぐ動かしやすいという説明だけでは、自分の打ち方に合うかまでは分かりません。
この記事では、キャスコ9/9パターのトルクレス設計を、従来のSTRAPと比較しながら解説します。価格・発売日・スペックから、ハイヘックスフェース、36インチの構え方、試打で見るポイントまで、プレーの場面につなげて整理していきます。
- トルクレス設計と36インチ・633gの特徴
- 従来STRAP4モデルとの仕様と価格の違い
- 打点ずれ・打感・構え方から考える相性
- 購入前に比べたい方向性と距離感
キャスコ9/9パターのトルクレスの特徴
Type-TLは、STRAPらしい長さと高いフェースに、ヘッドの向きを安定させる工夫を加えたモデルです。まずは重心、長さ、重さ、打球面を分けて見ると、何を助けてくれるパターなのかがつかみやすくなります。
価格・発売日と基本スペック
9/9 STRAP PUTTER トルクレスの型番はType-TLです。キャスコの国内公式情報では、2026年10月16日発売、税込価格は57,200円。2026年11月8日時点で発売済みのモデルとして紹介します。従来のSTRAPは同年3月13日発売なので、同じ2026年モデルという表示だけで見分けないことが大切です。
| 項目 | Type-TLの公式仕様 |
|---|---|
| 長さ | 36インチ |
| ロフト角/ライ角 | 3.5度/70度 |
| クラブ重量 | 633g |
| ボディ/フェース素材 | SUS431/ジュラルミン |
| フェース高さ | 29.5mm |
| シャフト | N.S.PRO PUTTER 160 |
| シャフト重量 | 151g・カット後 |
| グリップ | 中尺用オリジナル・80g |
| カラー | ブロンズ/メタルグレー |
| 製造国 | 日本 |
表のロフト角、ライ角、クラブ重量はメーカーの設計値です。個体の実測値には多少の違いがあり、この記事で測定した数値ではありません。また、シャフト名の160を、そのまま完成クラブに入っているシャフトの重量と考えないようにしたいですね。公表されているカット後重量は151gです。
ここでいう633gはヘッド単体の重さではなく、シャフトとグリップを含むクラブ全体の重さです。ほかのパターのヘッド重量と並べて「倍近く重い」と比較すると、意味が変わってしまいます。重さを比べるなら、同じ総重量の数値同士で見る必要があります。
公式の対象区分はユニセックスです。ただし、男女兼用という表記は、全員に36インチが合うという意味ではありません。腕の長さや前傾、握る位置によって使いやすさが変わるため、身長や性別だけで候補から外したり、逆に適合すると決めたりしないほうがよいでしょう。
購入時には、商品名のトルクレス表記とType-TLの型番、希望色、長さを一組で照合します。価格は公式掲載額と販売店の実売価格を分け、在庫や保証、付属品と合わせて最終確認してください。左用については今回確認した国内公式ページに設定の案内がないため、展開ありとは扱っていません。
トルクレス設計で何が変わる?
トルクは、物を回転させようとする力の働きです。パターでは、ストローク中にヘッドが開いたり閉じたりしようとする性質に関係します。Type-TLは、ヘッドの重心をシャフトの中心線上に置くことで、その回転を抑える設計を採用しています。
例えば、短いパットで引いたときのフェースの向きが気になり、当てる直前に手で戻してしまう場面を考えてみてください。戻す量が毎回違えば、同じ場所を狙ったつもりでも左右の打ち出しが変わります。ヘッドが余計に回ろうとする働きを小さくするのは、こうした操作を減らすための一つの考え方です。
ただし、シャフトがヘッドの中央付近に付いているだけで、すべて同じ性質になるわけではありません。外から見える取り付け位置に加え、ヘッド内部の重さの配分が関係します。従来のセンターシャフトモデルとType-TLを同じものとして扱えない理由も、ここにあります。
キャスコがもう一つ説明しているのは、ヒール側への重量配分です。ヒールとは、構えたときに自分に近い側の部分。回転を抑えながらも、振っているヘッドの存在を感じられるようにする狙いがあります。動きを抑えることと、手応えを消すことを同じにしていないのが面白いですね。
トルクレスは、フェースを自動で目標に向ける機能ではありません。最初から右を向いて構えていれば、その向きのまま安定して打っても右へ出ます。手首でひねる動作や打点のずれまで、道具だけで完全になくなるわけでもありません。
また、商品名から、あらゆる姿勢・動作で回転する力が完全にゼロだと読み取るのも避けたいところです。ここではメーカーが説明する、ストローク中のヘッド回転を抑制する設計として理解するのが適切でしょう。
私は、フェースを戻すタイミングに頼りすぎず、振り幅とテンポに意識を向けたい人に魅力があると見ています。一方で、ヘッドの開閉を感じながら打つのが好きな人には、手応えの違いが気になる可能性があります。技術名の新しさより、余分な調整をせずに動かせるかが大事です。
36インチと633gの安定感
Type-TLの36インチは、キャスコがセミ中尺と呼ぶ長さです。一般的な33〜34インチのパターから替える場合、手元の位置や前傾の深さが変わりやすくなります。単純にヘッドだけを交換する感覚ではなく、構え全体の変化を含めて考えたい一本ですね。
メーカーは、長さと重さによってストロークの安定を狙っています。重い物は急に動かしたり止めたりするのに力が必要です。その性質が、手先で急に打ち込む動きを抑える方向に働く可能性があります。ただし、重いほど誰にとっても振りやすい、という意味ではありません。
例えば、短い距離で打つ瞬間だけ右手が強く動いてしまう人なら、クラブ全体をゆっくり動かす感覚が助けになることがあります。反対に、重さを支えようとして肩や指先に力が入るなら、動作が小さく固まってしまうかもしれません。同じ633gでも、得られる感覚は構え方によって変わります。
長いグリップを使って少し短く持つこともできますが、36インチを短く握れば33インチのパターとまったく同じになるわけではありません。手の上に残る部分やクラブ全体の重量配分も違うため、持った印象と実際の転がりを両方見る必要があります。
メーカー説明に出てくる慣性モーメントは、回転する動きの変わりにくさを表す考え方です。ただし、ヘッドの打点ずれに対する強さと、クラブ全体を振るときの動きにくさは、同じ数値で一括りにはできません。総重量の増加率を、そのままミスへの強さの増加率に置き換えないことが大切です。
従来STRAPで使われた一般的なモデル比約1.25倍という訴求も、Type-TLの性能倍率として流用しません。比較対象や測定条件がそろっていないまま数字だけを並べると、実際以上に差が大きく見えてしまうからです。
私が長さと重さで見たいのは、短い距離の落ち着きに加え、ロングパットで無理なく振り幅を広げられるかです。ほかの中尺との違いが気になる方は、TRTL MAXの通常長・中尺・長尺モデルの違いも参考になります。長さとトルクを抑える仕組みを分けて比較すると、選択肢が整理しやすくなります。
29.5mmフェースと打点ずれ
ハイヘックスフェースは、高さ29.5mmの台形六角形をした打球面です。Type-TLの特徴は、見た目が大きいことに加え、上下方向の打点のばらつきに配慮していること。メーカーは、打つ位置が上下にずれた場合も転がりを安定させる狙いを説明しています。
パターのミスというと、トウやヒール寄りに当たる左右のずれを想像しやすいですよね。しかし、ヘッドを浮かせる高さが毎回違ったり、インパクトに向かって体が起きたりすると、上下の当たり方も変化します。狙った方向には出ているのに、転がる距離だけがそろわない場合には、この点も考えられます。
例えば、同じ振り幅で打ったつもりの二球でも、一球はフェース中央付近、もう一球は上寄りに当たることがあります。高い打球面は、こうした縦方向のばらつきに対して余裕を持たせる考え方です。ただし、具体的に何mmずれても同じ距離になる、といった保証ではありません。
また、フェースが高ければボールを上から押さえつける必要があるわけではありません。見た目に合わせてヘッドを必要以上に浮かせたり、ボールを持ち上げようとしたりすると、別のばらつきを増やすことがあります。普段どおり自然に構えたときの当たり方を起点にしたいところです。
フェースの高さ、構えた向き、左右の打点は別々の項目です。高いフェースを採用していても、地面を先に強くたたくミスや、大きく芯を外した打球まで同じ転がりになるとは言えません。どのミスを助けるための工夫なのかを分けると、期待しすぎを防げます。
打点を確かめたい場合は、試打施設の許可を得て、スタッフに当たり方を見てもらう方法があります。フェースへ何かを貼ると打感や転がりが変わることもあるので、打点を見る試行と距離感を比べる試行は分けると判断しやすいですね。
私は、このフェースをショートパット専用の工夫とは考えていません。上下の打点がばらついて距離を失う人なら、中距離でも気になる要素です。一方、毎回芯に近く当たっていてラインの読みが主な課題なら、高さの違いだけで大きな改善を期待する理由は薄くなります。
ジュラルミンの打感と距離感
Type-TLは、SUS431のボディにジュラルミンのインサートフェースを組み合わせています。インサートは、ヘッド本体とは別に打球面へ組み込む部分です。ジュラルミンはアルミニウム系の合金で、樹脂インサートと同じものではありません。
キャスコは、肉厚のジュラルミンフェースによる柔らかな打感を訴求しています。ただし、これはメーカーが狙う感触であり、私が試打して柔らかいと感じたという報告ではありません。打感は素材だけで決まらず、厚さ、構造、使うボール、打球音の受け取り方も関係します。
従来型STRAPの公式説明には、インサートの厚さ6.5mmという数値があります。一方、今回確認したType-TLの説明は肉厚という表現で、厚さの数値は掲載されていません。同じシリーズだからといって、新型も6.5mmだと決めつけないようにしています。
柔らかな感触が好きでも、距離感まで自動的に合うとは限りません。例えば、音が控えめだと弱く当たったように感じ、次の一球で振り幅を増やしてしまうことがあります。逆に、金属的な音から強く打ったと感じても、実際の転がりはちょうどよい場合があります。耳と手の印象を、止まった位置と結び付けるのが大切です。
店頭で比べる際は、できれば普段使うボールをそろえると違いが分かりやすくなります。ボールまで替わると、新しいパターの特徴なのか、ボールの感触の違いなのかを分けにくくなるからです。使用が認められるかは店舗の案内に従ってください。
また、フェースの感触とクラブ全体の重さは、距離感に同時に関わります。Type-TLに替えて届きすぎたとしても、フェースが強く弾くと即断はできません。重いクラブをいつもと違う勢いで動かしている可能性もあり、数球で結論を出さず、テンポを落ち着かせて見たいですね。
私なら、気持ちよく打てるかに加えて、短いパットと長いパットで打球音の印象がつながるかを重視します。音を聞いて距離の見当がつき、実際の止まり方とも合ってくるなら、ラウンドで使う感覚を作りやすいはずです。素材名の高級感より、その結び付きのほうが実用的だと思います。
ブロンズとメタルグレーの見え方
トルクレスのカラーは、ブロンズとメタルグレーの2種類です。公式の仕様表では、色によって長さ、ロフト、ライ角、総重量を分けていません。どちらかが上級者向け、もう一方が初心者向けという性能区分として選ぶ必要はありません。
公式の商品写真を見ると、Type-TLは中央に空間のあるヘッドと、向きを合わせるための白いラインが特徴的です。ブロンズは温かみのある色で、メタルグレーは落ち着いた無彩色に近い印象。これは写真から読み取れる外観上の違いで、実際の照明や芝の色では見え方が変わります。
パターは構えてから動かし始めるまで、ヘッドをじっくり見るクラブです。白い線が自然に目に入るか、外周の形を目標に合わせやすいか、光の映り込みが気になるか。色の好みは、所有する満足感だけでなく、構えを落ち着かせる感覚とも関係します。
例えば、目印の線を強く意識すると狙いやすい人もいれば、線が目立ちすぎるとまっすぐ引くことばかり考えてしまう人もいます。前者なら線と地色の対比、後者ならフェースやヘッド全体の輪郭が無理なく見えるかを比べると、自分の好みを言葉にしやすくなります。
ただし、白いラインが目標を向いているように見えることと、実際に正しく向いていることは別です。目の位置や立つ場所によって、見え方に偏りが出ることもあります。色だけで方向性が改善すると決めず、打ち出しと合わせて確かめたいですね。
同じモデルの2色を比べるなら、握る位置やボールの位置をそろえ、色以外の条件をなるべく変えないのが分かりやすい方法です。売り場のスポットライトだけで判断せず、可能であれば屋外の自然光でも見ておくと、ラウンドでの印象との差を減らせます。
私の考えでは、迷ったときに優先したいのは、写真で映える色より、何度構え直してもフェースを自然に合わせられる色です。機能の比較が同じなら、最後は見た目が好きという理由で選んでもよいでしょう。二色の間に根拠のない性能差を作る必要はありません。
キャスコ9/9パターのトルクレス比較

新型を選ぶ理由は、従来型が苦手だった部分を自分の打ち方で補えるかどうかです。共通する設計を押さえたうえで、ネック、ロフト、重さの違いを見ていきましょう。握り方や試打の順番まで含めると、買い替える意味を具体的に考えられます。
従来STRAP4モデルとの違い
従来の9/9 STRAPには、マレット形状のMC・MHと、ホーン形状のHC・HHがあります。MC・HCはセンターシャフト、MH・HHはヒール側にネックを置くショートスラントです。ヘッド形状とネックの組み合わせを選べる4モデルに、別の重心設計を採用したType-TLが加わったと考えると分かりやすいですね。
| 比較項目 | 従来STRAP | トルクレスType-TL |
|---|---|---|
| モデル | MC・HC・MH・HH | TL |
| ネック・重心設計 | センター/ショートスラント | ヘッド回転を抑えるトルクレス |
| 長さ/フェース高さ | 36インチ/29.5mm | 36インチ/29.5mm |
| ロフト角 | 2.5度 | 3.5度 |
| ライ角 | MC・HC:71度、MH・HH:70度 | 70度 |
| クラブ重量 | 610g | 633g |
| カット後シャフト重量 | 146g | 151g |
| 公式税込価格 | 各55,000円 | 各57,200円 |
数字で見ると、Type-TLは総重量が23g増え、ロフトが1度大きくなっています。一方、36インチと29.5mmのフェース高さは共通です。従来型で感じられる長さや高いフェースの特徴を、すべて新型だけの利点として数えるのは適切ではありません。
価格差は公式掲載額で2,200円。ただし、店頭の値引きや在庫状況によって実際の差は変わります。旧型が大幅に安い場合には、追加費用に見合う違いを感じられるかも判断材料になります。反対に、差が小さくても自分に合わない重さを受け入れる理由にはなりません。
選び分けの起点として、フェースの開閉をなるべく意識せず打ちたいならType-TL、好きなヘッドの輪郭とネックの見え方から選びたいなら従来4モデルが分かりやすいと思います。センターシャフトが好きだからといって、MCやHCもトルクレス仕様だと判断しないことが大切です。
すでに従来STRAPを使っていて距離感が合っている人は、その感覚を基準に残しておくと比較が具体的になります。短い距離の打ち出しが楽になっても、中距離で止まる位置が大きく散るなら、総合的な利点はまだはっきりしません。新型の追加は、従来型を一律に買い替える理由ではなく、困りごとに合う選択肢が増えたと受け止めたいですね。
ロフト3.5度とライ角の考え方
パターにもロフトがあり、フェースは完全な垂直ではありません。Type-TLは3.5度、従来STRAPは2.5度です。ロフトはボールが打ち出されるときの状態に関係しますが、数値が大きいほど転がりがよい、少ないほどまっすぐ進むという単純な順位にはなりません。
実際にボールへ当たるときのロフトは、構えた姿勢や手元の位置、ヘッドの入ってくる動きで変わります。例えば、手元を目標方向へ強く出すハンドファーストでは、フェースの傾きが小さくなりやすくなります。カタログの1度差だけで、自分の打ち出しまで同じように1度変わるとは限らないわけです。
逆に、打つ直前に手元が遅れ、フェースを上へ向ける動きが大きくなれば、ボールが跳ねるなど転がり始めが不安定になることがあります。ロフトが増えたからボールをさらに上げようとする必要はありません。自然なストロークで、初めの転がりが落ち着くかを見るほうが実戦的です。
ライ角は、シャフトと地面のなす角度です。Type-TLは70度で、従来のMH・HHと同じ。MC・HCの71度とは1度違います。数値だけでは小さく見えますが、同じ長さでも手元の高さやヘッドの据わり方が変わる可能性があります。
構えたときにトウ側やヒール側が極端に浮く場合は、単にソールを押しつけて水平にしようとするより、自然に腕を下ろした位置と握る場所を見直したいですね。見た目をそろえるために手首を無理に曲げると、その姿勢を保つこと自体が負担になります。
ロフトとライ角は、正しい数字を選べば打ち方が自動で整う設定ではありません。自分の構えでフェースがどう向き、どんな当たり方になるかと結び付けて考えるものです。トルクレスという名称と、ロフトがゼロであることも別の話です。
特に、従来型から新型へ替えるときに、以前の手元位置へ無理に合わせる必要はありません。どちらも楽に構えた状態で比べ、打ち出しや転がりが変わった理由を考えるほうがよいと思います。角度調整が必要なら、メーカーの対応範囲を確認したうえで、フィッターや工房に長さと握り位置も含めて相談してください。
握り方とアンカリングの注意点
36インチのSTRAPは、長いグリップをどう使うかも特徴の一つです。従来STRAPの公式説明では、長く持つ、グリップを余らせる、両手を離すスプリットハンド、左右の手の上下を入れ替えるクロスハンドが紹介されています。Type-TLにも中尺用オリジナルグリップが採用されています。
まずは普段の握り方で構え、どの位置なら肩や腕が自然に下がるかを見るのが出発点です。36インチだから必ずグリップエンドまで持つ必要はありません。長く持つと前傾が浅くなりやすく、少し余らせると手元の位置を調整できますが、どちらがよいかは姿勢との組み合わせで変わります。
スプリットハンドは左右の手を離して握る方法です。両手の役割の感じ方が変わるため、手先の細かな動きを抑えやすい人もいます。一方で、間隔を広げすぎると肩の高さや力のかかり方が変わることもあるので、極端な形を最初から作らないほうが比べやすいでしょう。
クロスハンドも、利き手だけで強く打ってしまう人が試せる方法の一つです。ただし、握り方とパターを同時に大きく変えると、どの変更が結果に関係したのか分かりにくくなります。まずパターを比較し、その後で持ち方を一つずつ試すと、違いを整理できます。
メーカーの「体とクラブの一体化」という説明は、グリップを腹や胸へ固定して打つ意味ではありません。R&Aのゴルフ規則10.1bでは、ストローク中にクラブや握っている手を体へ固定する直接的なアンカリングなどを禁止しています。
一方、クラブや握っている手を、もう一方の手や前腕に固定することは規則上認められています。また、単に体や衣服に触れただけで、すべて違反になるわけではありません。固定の仕方や意図を含む規則なので、長いグリップが体に近いときは、自由に動かせる構えを基本にしたいですね。
前腕を体へ固定して支点を作る間接的なアンカリングにも注意が必要です。競技で使う握り方に迷いがあれば、R&A・JGAの公式規則や競技委員へ具体的な姿勢を示して確認すると確実です。36インチという長さだけで違反が決まるのではなく、ストロークの方法が問われます。
合う人・合わない人の違い
Type-TLが合いそうなのは、フェースを戻す操作を減らしたい人と、重めのクラブでテンポを作りたい人です。短い距離で引っかけと押し出しが交互に出て、インパクト直前の手の動きが気になるなら、試す理由がはっきりします。
ただし、左右へ外れる原因が必ずフェースの開閉とは限りません。構えるたびに狙う向きが違う場合や、ボールの位置がばらつく場合もあります。新しいパターを試す前に、外れ方を「毎回右」「左右に散る」「方向はよいが距離が違う」程度に分けておくだけでも、見るべきところが変わります。
例えば、普段は方向が合うのに、短い距離だけ強く打ち急いでしまう人。重さを利用して落ち着いたテンポを作れるなら、Type-TLの方向性と合っています。一方、長い距離でクラブを振り切れずショートする人が、さらに重いクラブへ替えれば必ず改善するとは言えません。
合いにくい可能性があるのは、軽いヘッドを細かく操作して距離を作る感覚が好きな人や、深い前傾と短いパターで自然に構えられる人です。重さや長さを受け入れるために握力が強くなったり、肩が上がったりするなら、設計上の長所を使いにくくなります。
初心者にも候補にはなりますが、最初から633gの36インチだけに絞る必要はありません。通常長のマレットと並べて持つと、自分が楽に構えられる長さをつかみやすくなります。難しい技術名を理解してからでなくても、持っていて無理がないか、狙う方向が分かりやすいかは比べられます。
パターの選び方は、ドライバーのようにヘッドスピードの数値で切り分けるものではありません。スコアがよいから軽いモデル、初心者だから重いモデルと固定せず、普段のミスと姿勢に合わせるほうが納得できます。候補を広げたい方は、2026年のパターの特徴と選び方で、通常のマレットやピン型も比較できます。
私が勧めたいのは、トルクレスの評判だけで替えることではなく、今より考えることを減らして打てるかを見る選び方です。フェースの向きに気を取られず距離へ集中できるなら魅力があります。今の一本でその状態ができているなら、買い替えを急ぐ必要はありません。
試打で比べたい方向性と距離感
試打では、カップインした数だけより、打ち出す向きとボールの止まる位置を分けて見るのがおすすめです。同じ場所から何度も打つとラインや強さに慣れるため、後から使ったパターが有利に感じられることがあります。今のパター、従来STRAP、Type-TLを交互に使うと違いが見えやすくなります。
最初は、ほぼ平らな1〜2メートル程度の距離で、狙ったところへ打ち出せるかを比べます。この距離は試す場面の例で、性能を保証する基準ではありません。右へ出るのか、左へ出るのか、構えるたびに変わるのかを見て、必要ならスタッフにアドレスの向きも見てもらいます。
次は3〜5メートル程度に伸ばし、カップに届く前後のばらつきを見ます。強く打ち込まなくても転がせるか、ヘッドの重さが気になって途中で緩めていないか。きれいに当たった球だけを選ばず、普段どおりの打球を含めて比べるのが大切です。
屋外で試せるなら、8〜10メートル程度の長い距離や上り下りも加えたいですね。短いパットで動かしやすくても、ロングパットでは振り幅を出しにくいことがあります。逆に、最初は重く感じても、ゆっくり動かすことで長い距離が合わせやすくなる人もいるでしょう。
途中で何度か構えを解き、別の場所から戻って打つのも役立ちます。同じ姿勢のまま打ち続けたときだけ合うのか、構え直しても向きと距離を再現しやすいのかを分けられるからです。少数の成功をそのままラウンドの成績に換算しないようにしたいところです。
- 型番と色、握った位置、普段と違う構えになったか
- 短い距離で左右どちらへ出やすかったか
- 中距離でショートとオーバーがどの程度混ざったか
- 長い距離でも力まず振り幅を広げられたか
- 現用品へ戻したとき、何が楽で何が難しかったか
メモは細かな点数表でなくても、このくらいで十分です。Type-TLがよかった理由を一言で言えるか、逆に気になった部分を残せるかが大切になります。室内の短いマットしか試せなかった場合は、ロングパットの相性まで確認できたとは扱わないようにしましょう。
私なら、短い距離で余計なフェース操作が減り、中距離でも止まる位置がそろうことを重視します。方向性の安心感と距離感の両方が今の一本より扱いやすいなら、買い替える意味が具体的になります。どちらかが大きく悪化するなら、従来型や別の長さも候補に残すのが自然です。
キャスコ9/9パターのトルクレス総評
キャスコ9/9パターのトルクレスは、従来STRAPの36インチと高い打球面を土台に、ヘッドの回転を抑える工夫を加えた一本です。私が評価したいのは、単に重く大きくするだけでなく、フェースの向きを手で合わせる負担を減らす方向へ設計を広げたことです。
それぞれの特徴が向き合う課題は少しずつ違います。トルクレスはヘッドの開閉、セミ中尺と重量は構えやテンポ、ハイヘックスフェースは上下の打点ずれ。これらをひとまとめに「全部のミスにやさしい」と考えず、自分が困る場面に当てはめると、魅力が分かりやすくなります。
従来型との違いでは、23gの重量増と1度のロフト増も見逃せません。価格差だけなら小さく見えても、使ったときの感覚まで小さな変化とは限らないからです。共通する長さや素材に安心しつつ、打ち出しと距離感は別に比べる価値があります。
向いているのは、短いパットでフェースを戻しすぎたり戻しきれなかったりする人、重めのクラブをゆっくり動かすほうが自然な人です。反対に、軽快な操作感を大切にしたい人や36インチで姿勢が窮屈になる人には、従来STRAPや通常長のパターのほうが合う可能性があります。
弱点として考えておきたいのは、重さや独特のシャフト位置に慣れる必要があることと、方向性がよくても距離感まで自動では整わないことです。トルクレスという名前に期待しすぎず、構えた向きと振り幅を自分で作る道具として捉えると、性能を落ち着いて見られます。
選ぶ決め手は、今のパターより少ない操作で、狙った向きと距離を両立できるかです。一番気持ちよかった一球より、構え直しても同じように打てるかを大事にしたいですね。新しい仕組みを試す面白さと、自分のパッティングを守る視点は両立できます。
すでにSTRAPの距離感が気に入っているなら、それを基準にType-TLを比べてみてください。初めてこのシリーズに触れるなら、通常長の一本も隣に置くと、36インチと重さの意味がつかみやすくなります。自分の動きを無理に変えずに打てるかを見ていくことが、納得できる一本選びにつながると思います。