ミズノM.CRAFTパター試打評価!打感と転がりの秘密を徹底解説

ミズノM.CRAFTパター
公式サイトより

こんにちは。ゴルフの縁道、運営者のえにしです。

皆さんはパター選びで悩んでいませんか。スコアメイクの鍵を握るのは間違いなくパッティングですが、自分に合った一本を見つけるのは本当に難しいものです。特に打感や転がりの良さを求めると、海外の有名ブランドに行き着くことが多いですが、価格が高騰していて手が出しにくいという現実もあります。そこで今、私が注目しているのがミズノのM.CRAFTパターです。アイアンの名門であるミズノが本気で作ったこのパターは、軟鉄鍛造ならではの極上の打感と、精密な削り出しによる美しさを兼ね備えています。さらにウェイト調整機能や重めのヘッド設計など、ゴルファーの感性を刺激する要素が満載です。今回はミズノのM.CRAFTパターに関する試打評価や評判、そして選び方について、私の経験も交えながら詳しく解説していきます。

  • ミズノ伝統の軟鉄鍛造が生み出す独特の打感と音響効果のメカニズム
  • OMOIシリーズや最新モデルを含む豊富なラインナップの特徴と選び方
  • スコッティキャメロンと比較した際のコストパフォーマンスと性能差
  • 長く愛用するためのメンテナンス方法とウェイト調整による攻略法
目次

ミズノ M.CRAFT パターの魅力と種類

まずは、なぜ今このパターがこれほどまでに注目を集めているのか、その核心に迫っていきたいと思います。ミズノといえば「アイアンのミズノ」として世界的に有名ですが、その鍛造技術を惜しみなく投入して作られたのがこのM.CRAFTシリーズです。単なる道具としての機能を超えて、ゴルファーの感性に訴えかける「打感」や「音」、そして所有欲を満たす美しい仕上げ。ここでは、素材の特性から最新のテクノロジー、そして実践的な調整機能まで、その魅力を余すところなく深掘りしていきます。

軟鉄鍛造が生む極上の打感と音

ゴルフにおいて「打感」という言葉は頻繁に使われますが、パターにおける打感ほど繊細で、かつプレーヤーのパフォーマンスに直結する要素はないと私は考えています。M.CRAFTシリーズの最大のアイデンティティは、まさにこの「打感」にあります。

多くのプレミアムパター、例えば皆さんもよくご存知のスコッティ・キャメロンのスペシャルセレクトなどは、「SUS303ステンレススチール」という素材を採用しています。ステンレスは錆に強く、硬質な素材であるため、インパクト音は「カツッ」という少し高めの、クリスピーな音になります。これはこれで非常に心地よく、弾き感があって距離が合わせやすいと感じるゴルファーも多いでしょう。

しかし、ミズノが選んだのはステンレスではなく、「1025マイルドスチール(S25C)」という軟鉄素材です。これはミズノの名器と呼ばれるアイアンに使われているのと同じ素材です。炭素含有量が約0.25%というこの素材は、非常に柔らかく、粘り気があるのが特徴です。さらに、ミズノが世界に誇る「グレインフローフォージド」製法を経ることで、金属の組織(鍛流線)が一方向に美しく流れ、緻密な構造になります。これが何を意味するかというと、インパクトの瞬間の微細な振動を、素材自体が適度に吸収・減衰してくれるのです。

実際に打ってみるとわかりますが、M.CRAFTの打感は「柔らかい」という一言では片付けられません。ボールがフェースに吸い付くような、独特の「重厚感」があります。音で表現するなら、ステンレスのような高い金属音ではなく、角が取れた「コツッ」あるいは「ドゥッ」という、低く湿った音色がします。

実は、人間の脳というのは面白いもので、耳から入ってくる音の周波数によって「硬い」「柔らかい」という触覚的な判断を下しています。低い周波数の音は「柔らかい」と認識されるため、このS25C軟鉄素材が奏でる低音は、私たちの手に「極上の柔らかさ」として伝わってくるのです。

さらに、この打感を補強しているのが「ディープフェースミーリング」です。フェース面を見ると、非常に深い溝がCNC制御によって刻まれているのがわかります。この深い溝には二つの物理的な効果があります。一つは、ボールとフェースが接触する面積を減らすこと。平面で当たるよりも、溝の山の頂点で点で捉えることで、衝撃が分散され、よりマイルドな感触になります。もう一つは音響のチューニング効果です。溝が深ければ深いほど、音はこもりやすく、より低音成分が強調されます。

樹脂インサートを使用したパターも確かに柔らかいですが、時には情報量が消されてしまい、どこに当たったのか分かりにくいことがあります。しかし、M.CRAFTの軟鉄削り出しは、柔らかさの中に「芯」を感じることができます。金属のダイレクトなフィードバックがありながら、不快な振動だけが取り除かれている。この絶妙なバランスこそが、私がこのパターに惹かれる最大の理由であり、多くのゴルファーを虜にしている秘密なのです。

豊富なヘッド形状と種類の違い

M.CRAFTシリーズが素晴らしいのは、素材へのこだわりだけでなく、ゴルファーのストロークタイプに合わせた豊富なヘッドバリエーションを用意している点です。初代シリーズから始まり、順次追加されてきたラインナップは、クラシックな形状への敬意と、現代的な機能性の融合が見事に表現されています。

まず、基本となるのが初代シリーズ(I, II, III)です。 M.CRAFT Iは、トゥ・ヒールバランスのブレード形状ですが、バックフランジが厚く角張った「スクエアバック」スタイルです。ショートスラントネックが採用されており、トゥハング(重心角)が最大になっています。これはどういうことかというと、フェースの開閉を積極的に使う「イン・トゥ・イン」のストロークをする人に最適だということです。私はテニスもするのですが、手首を使ってボールを包み込むような感覚に近いかもしれません。 M.CRAFT IIは、最もオーソドックスな「アンサー2」タイプです。クランクネックで、オフセットがあるためハンドファーストに構えやすい。適度なフェースローテーションを行うタイプ向けで、正直、迷ったらこれを選べば大失敗はしないという万能モデルです。 M.CRAFT IIIは小ぶりなミッドマレットです。ダブルベントシャフトでフェースバランスになっているため、真っ直ぐ引いて真っ直ぐ出すストロークに合います。マレットの安心感は欲しいけれど、大きすぎるヘッドは苦手という方にぴったりです。

そして、安定性をさらに高めたのがIV, V, VIのシリーズです。 M.CRAFT IVはワイドボディのブレード。見た目はブレードですが幅が広く、マレットに近い座りの良さがあります。 M.CRAFT Vはセミマレット形状にショートスラントネックを組み合わせたモデルです。これは近年のツアーで流行している「マレットなのに操作性が高い」というトレンドを抑えたものです。マレットの優しさと、自分で操作する感覚の両方が欲しいという欲張りなニーズに応えてくれます。 M.CRAFT VIはいわゆる「ツノ型」や「ウイング形状」と呼ばれるタイプです。ヘッドの外周、特に後方に重量を配分することで、シリーズ最大級の慣性モーメント(MOI)を実現しています。ミスヒットしてもヘッドがブレにくく、オートマチックに打ちたい人には最強の武器になるでしょう。

知っておきたいネック形状の基礎知識 ・ショートスラント:操作性が高く、フェースの開閉を使う人向け。 ・クランクネック:ハンドファーストに構えやすく、右へのミスを嫌う人向け。 ・ベントネック:フェースバランスになりやすく、真っ直ぐストロークしたい人向け。

このように、単に形が違うだけでなく、ネック形状との組み合わせによって重心特性が全く異なります。自分のストロークがアーク(円軌道)を描くタイプなのか、ストレートに近いタイプなのかを見極めることが、最適な一本に出会うための第一歩です。

重めが特徴のOMOIシリーズの評価

2022年以降に登場し、パター市場に一石を投じたのが「OMOI(オモイ)」シリーズです。ネーミングが非常にユニークですが、これは日本語の「重い」と、開発者の「想い」が込められたダブルミーニングだそうです。このシリーズの最大の特徴は、その名の通り「ヘビーウェイトスタビリティ」設計にあります。

従来の一般的なパターヘッドの重量は350g前後が業界標準とされてきました。しかし、OMOIシリーズはモデルによって370gから383gという設定になっており、従来比で15gから28g近く重くなっています。この「重さ」には、明確な物理的メリットがあります。

まず第一に、慣性モーメント(MOI)の増大です。物体は重ければ重いほど、外部からの力に対して動きにくくなります。パッティングにおいてこれは、芯を外してミスヒットした時でもヘッドが当たり負けせず、フェースの向きが変わりにくいことを意味します。つまり、方向性が安定するのです。 第二に、転がりの向上です。重いヘッドがボールに衝突することで、より大きな運動エネルギーが伝わります。これにより、出球が強くなり、芝目の抵抗に負けない直進性の高いボール、いわゆる「Heavy Roll」が生まれます。

しかし、ただヘッドを重くしただけでは、クラブ全体のバランスが崩れてしまい、ただの「振りにくいパター」になってしまいます。そこでミズノが採用したのが「カウンターバランス理論」のような全体最適のアプローチです。ヘッド重量が増した分、専用の軽量グリップやシャフトの重量配分を調整し、全体としての振り心地を整えているのです。

実際にOMOIシリーズ(01〜06)を試打してみると、その効果はすぐに実感できます。構えた瞬間にずっしりとした安定感があり、手先でちょこちょこと操作するような悪癖が出にくくなります。重い物体を動かすには体幹や大きな筋肉を使う必要があるため、自然とショルダーストロークが促されるような感覚です。特に、ショートパットで緊張して手が震えてしまうような場面や、打ち急いでしまうミスが多い方には、この重さが強力なスタビライザーとして機能してくれるはずです。

OMOIシリーズのメリットまとめ

  • ヘッドのブレが減少し、方向性が安定する。
  • ボールへのエネルギー伝達効率が良く、転がりが良い。
  • 手先の余計な動きが抑制され、ストロークが安定する。

ただし、注意点もあります。ロングパットの距離感です。軽いパターに慣れている人が最初にOMOIを使うと、予想以上にボールが転がってしまい、オーバーすることがあります。これは「学習曲線」の問題で、慣れれば武器になりますが、最初のうちは練習が必要です。それでも、ショートパットが入る確率が上がるというメリットは、スコアメイクにおいて何物にも代えがたい魅力だと思います。

2025年新作モデルの革新性

そして2025年、ミズノはM.CRAFTの歴史をさらに塗り替える最新作「M.CRAFT X」を投入しました。これは従来の「完成されたモデルから選ぶ」というスタイルから、「パーツを組み合わせて最適解を作る」というモジュラーシステムへと進化した野心作です。

この新作の最大のテーマは、相反する要素の融合です。具体的には「ブレードパターのような操作性」と「マレットパターのような寛容性」の両立です。通常、マレットパターは重心が深く、オートマチックに動きますが、その分ゴルファーが自分で操作している感覚は薄れます。逆にブレードパターは操作性は高いですが、ミスへの許容度は低くなります。

M.CRAFT Xは、複合素材を用いることでこの課題に挑みました。ボディとフェースには伝統の「S25C軟鉄鍛造」を採用してあの極上の打感を維持しつつ、バックパーツには軽量で精密な「アルミニウム(AL7075)」を採用しています。比重の異なる素材を組み合わせることで余剰重量を生み出し、それをタングステンウェイトなどで最適な位置に再配分することで、マレット形状でありながら重心を浅く(フェース寄りに)設計することに成功しました。これにより、「見た目は安心感のあるマレットだが、振った感覚はブレードのようにシャープ」という独特の操作感を実現しています。

さらに面白いのが、3種類のネックと3種類のヘッド形状を組み合わせるシステムです。 ネックは「Plumber(クランク)」「Slant(スラント)」「Bend(ベント)」の3種。ヘッドは「No.4(スクエア)」「No.5(ラウンド)」「No.6(ウイング)」の3種。これらを掛け合わせることで、例えば「No.6の超安定型ウイングヘッド」に「操作性の高いスラントネック」を装着するといったカスタマイズが可能になりました。これはテーラーメイドのスパイダーシリーズなどが得意とする手法ですが、ミズノが軟鉄鍛造でこれをやってのけたことに大きな意義があります。

私が特に注目しているのは、このシステムによって「自分だけの仕様」が作れる点です。既製品ではどうしても「ヘッドは好きだけどネックが合わない」といった妥協が生まれがちですが、M.CRAFT Xならその悩みを解消できます。次世代のパター選びは、このようにモジュール単位で考えるのが当たり前になっていくのかもしれません。

ブルーIPなど美しい仕上げの特徴

M.CRAFTパターを語る上で絶対に外せないのが、その圧倒的な「美しさ」です。ミズノのクラフトマンシップは性能だけでなく、外観の仕上げ(フィニッシュ)にも色濃く反映されています。主に3つの仕上げが展開されていますが、それぞれに異なる魅力と特性があります。

まず、最も象徴的なのが「ブルーIP(Blue Ion Plating)」です。これはミズノのブランドカラーである深く鮮やかなロイヤルブルーで、ゴルフ場の緑の芝の上で強烈な存在感を放ちます。イオンプレーティング処理によってコーティングされているため、塗装よりも硬く、独特の金属光沢があります。太陽光の下で見ると宝石のように美しく、所有欲をこれ以上ないほど満たしてくれます。キャディバッグに入っているだけで「おっ、あのパターは何だ?」と同伴者の目を引くこと間違いありません。

次に「ブラックIP(Black Ion Plating)」。こちらは精悍な漆黒の仕上げです。黒色は物体を小さく引き締めて見せる効果があるため、集中力を高めたいゴルファーに人気があります。また、光の反射が抑えられるため、眩しさを感じにくいという実用的なメリットもあります。

そして「ホワイトサテン(White Satin)」。艶消しのシルバー仕上げで、最もオーソドックスかつプロフェッショナルな印象を与えます。傷や指紋が目立ちにくく、長期間使用しても美しさが損なわれにくいという耐久性の高さが魅力です。

私が個人的におすすめしたいのは、やはりブルーIPですが、選ぶ際には覚悟も必要です。というのも、ソール部分など地面と頻繁に接触する箇所は、長期間使っていると物理的に摩耗し、下地の銀色が露出してくるからです。また、エッジ部分から徐々に色が薄れていくこともあります。これを「劣化」と捉えるか、使い込んだ証としての「エイジング(経年変化)」と捉えるかで評価は分かれます。デニムの色落ちや革製品のエイジングを楽しむような感覚で、自分だけのパターに育てていく楽しみがあるとも言えます。

ウェイトキットでの調整方法

M.CRAFTシリーズのコストパフォーマンスを最強にしている要因の一つが、「ウェイトキットが標準付属している」という点です。他社ブランドであれば、ウェイトやレンチは別売りで数千円から一万円近くすることもありますが、ミズノは最初からパッケージに含まれています。これは本当に良心的です。

標準では8gのウェイトが2個装着されていますが、付属キットには「3g(軽量)」と「13g(重量)」のウェイトがそれぞれ2個ずつ入っています。これらを交換することで、ヘッド重量を調整できるのですが、単に重くしたり軽くしたりするだけではありません。グリーンのコンディションや自分のミスの傾向に合わせてチューニングできるのです。

調整内容ウェイト設定効果と推奨シーン
ヘッド軽量化3g × 2インパクトの衝撃を抑え、高速グリーンでの飛びすぎを防ぐ。繊細なタッチが必要な時に。
ヘッド重量化13g × 2運動エネルギーを増し、重いグリーンや芝目に負けない強い球を打つ。ショートのミス防止に。
掴まり重視ヒール13g / トゥ3g重心をヒール寄りにし、フェースターンを促進。右への押し出し(プッシュ)ミスを減らす。
左ミス防止トゥ13g / ヒール3g重心をトゥ寄りにし、フェースターンを抑制。左への引っかけ(プル)ミスを減らす。

例えば、冬場の枯れた芝や、エアレーションが入ってボコボコしたグリーンの時は、私は迷わず13gのウェイトを入れてヘッドを重くします。そうすることで、多少芯を外してもボールが強く転がってくれるからです。逆に、夏場の速いグリーンや、下りのパットが怖い時は3gにして、タッチを合わせやすくします。

さらに面白いのが、左右非対称のセッティングです。最近どうも右にプッシュしてしまうな、と感じたら、ヒール側を重くしてみます。すると物理的にフェースが返りやすくなり、自然と捕まった球が打てるようになります。自分のスイングを無理に変えようとするのではなく、道具の方を自分に合わせる。この「可変ウェイトシステム」を使いこなせば、M.CRAFTは単なるパターから、どんな状況にも対応できる万能ギアへと進化します。

ミズノ M.CRAFT パターの選び方と評判

ここまでM.CRAFTの機能的な魅力について語ってきましたが、実際に購入を検討する段階になると、気になるのは「競合製品との比較」や「実際のユーザーの声」、そして「長く使うための注意点」だと思います。特にパター界の絶対王者であるスコッティ・キャメロンとの違いは、多くのゴルファーが最も知りたいポイントでしょう。ここからは、より現実的な視点で、M.CRAFTを選ぶべき理由や、購入前に知っておくべきリスクについて解説します。

スコッティキャメロンとの比較

「M.CRAFTは良いパターだ。でも、やっぱりスコッティ・キャメロンの方がいいんじゃないか?」 そんな迷いを持つ方は多いはずです。私自身、キャメロンのパターも所有していますし、その素晴らしさは十分に理解しています。しかし、M.CRAFTとキャメロンを比較すると、それぞれの立ち位置が明確に異なります。

まず、決定的な違いは「素材」と「打感」です。前述の通り、キャメロン(スペシャルセレクト等)は「303ステンレススチール」を使用しており、打感は硬質でクリスピー、音は高めです。対してM.CRAFTは「1025軟鉄(S25C)」で、打感は非常に柔らかく、音は低く湿っています。これは優劣ではなく、完全に好みの世界です。「カツッ」という弾き感が好きならキャメロン、「コツッ」という吸い付き感が好きならM.CRAFTです。

次に「コストパフォーマンス」です。ここはM.CRAFTの圧勝と言わざるを得ません。キャメロンの新品実勢価格は6万円から8万円、あるいはそれ以上です。一方、M.CRAFTは実勢価格で3万8千円から4万8千円程度で購入できます。しかも、キャメロンでは別売りの高価なウェイトキットが、ミズノには標準で付いてきます。機能面で見れば、半額近い価格で同等以上の精密なミルドパターと調整機能が手に入るわけです。これは「賢明なバイヤー」にとって非常に魅力的です。

しかし、「資産価値」という観点ではキャメロンに軍配が上がります。キャメロンのパターは中古市場でも値落ちが非常に少なく、モデルによっては定価以上で取引されることもあります。持っていること自体のステータスや、将来的に手放すときのリセールバリューを重視するなら、キャメロンは一種の投資と言えるかもしれません。逆にミズノは、道具として使い倒すためのパターです。

結論として、「ブランドのステータスや資産価値」を求めるならスコッティ・キャメロン。「純粋な機能性、自分好みに調整できる柔軟性、そして軟鉄特有の打感」を求めるならミズノ M.CRAFT。これが私の考える選び方の基準です。

サビなどの欠点とメンテナンス

どんなに素晴らしい製品にもデメリットは存在します。M.CRAFTパターにおける最大の懸念点は、素材に由来する「錆(サビ)やすさ」です。ステンレス(Stainless=錆びない)とは異なり、軟鉄は水分や酸素と反応して酸化しやすい性質を持っています。

もちろん、製品にはメッキやIP(イオンプレーティング)加工が施されているため、すぐに錆びるわけではありません。しかし、ゴルフ場では芝に含まれる水分、泥、そして特に危険なのが「肥料」や「農薬」です。これらが付着したまま放置すると、化学反応を起こしてメッキを侵食し、そこから錆が発生してしまいます。特に梅雨時期や夏場のラウンド後は注意が必要です。

私が実践しているメンテナンス方法は以下の通りです。 まず、ラウンド中はパッティングが終わるたびに、こまめにタオルで水分や汚れを拭き取ります。そしてラウンド終了後は、必ずヘッドカバーを外して風通しの良い場所で乾燥させます。濡れたまま、あるいは湿気を含んだままヘッドカバーに入れて保管するのは最悪の行為です。密閉されたカバー内で湿気がこもり、数日で錆だらけになることもあります。

自宅での保管時には、「ベビーオイル」や専用の「ガンオイル(防錆油)」、あるいはホームセンターで売っている「シリコンスプレー」をキッチンペーパーに少量とり、ヘッド全体に薄く塗り広げます。これにより表面に油膜ができ、空気中の水分を遮断することができます。もし軽い錆が出てしまった場合は、オイルを含ませた布で強めに拭くか、本当に軽度ならメラミンスポンジで優しく擦れば落ちることもありますが、IP加工ごと削ってしまうリスクがあるため慎重に行う必要があります。

メンテナンスの鉄則

濡れたままヘッドカバーに入れて放置しないこと。これが錆の原因の9割です。使用後は必ず乾燥させ、薄くオイルを塗って保護しましょう。特にブルーIPやブラックIPは研磨剤で磨くと色が剥げるので注意してください。

試打したユーザーの口コミと評判

実際にM.CRAFTを購入したユーザー、あるいは試打したゴルファーたちの声を分析してみると、評価は非常に高い傾向にあります。特に多く聞かれるのが、「打感の柔らかさに驚いた」という声です。「今までインサート入りのパターを使っていたが、金属単体でこれほど柔らかいとは思わなかった」「距離感が合わせやすい」といった意見が目立ちます。

また、OMOIシリーズに関しては、「テークバックが自然に上がるようになった」「ショートパットで打ち急ぐミスが減った」という、重さによる恩恵を感じているユーザーが多いようです。重いヘッドが勝手に仕事をしてくれる感覚が、プレッシャーのかかる場面で安心感に繋がっているのでしょう。

一方で、ネガティブな意見として見られるのは、やはり「ロングパットの距離感」です。「思ったより転がりすぎてオーバーしてしまう」「重さに慣れるまで時間がかかる」という声です。これはヘビーウェイトパター特有の特性なので、ある程度の練習期間が必要であることを理解しておくべきでしょう。また、「ブルーIPがかっこいいけど、使っているうちにソールが剥げてきてショックだった」という、外観の耐久性に関する嘆きも散見されます。

総じて、機能面や性能面での不満は少なく、「合わない」と感じる人は主に重量感や打感の好みの不一致によるものです。つまり、製品としての完成度は極めて高いと言えます。

中古市場での価格と購入の注意点

新品でのコスパも良いM.CRAFTですが、中古市場であればさらにお得に手に入れることができます。現在の相場感としては、初代やIV〜VIシリーズであれば2万円台前半から後半、OMOIシリーズであれば2万円台後半から3万円台前半といったところでしょうか。キャメロンの中古が平気で4〜5万円することを考えれば、破格と言えます。

ただし、中古で購入する際には特有の注意点があります。 第一に「錆と傷のチェック」です。前述の通り軟鉄は錆びやすいため、前のオーナーの管理状況によっては、ネックの付け根やソールの隙間に錆が発生している可能性があります。また、ブルーIPなどの仕上げは、傷がつくとそこから剥がれやすくなるため、写真で入念に確認する必要があります。

第二に、そして最も重要なのが「ウェイトキットの有無」です。M.CRAFTの魅力の半分はウェイト調整機能にあります。しかし、中古品の中には、この付属ウェイトキットや専用レンチが欠品しているものが少なくありません。本体だけ安く買えても、後からウェイトキットを探そうとすると入手困難だったり、意外と高かったりします。購入時は必ず「付属品完備」であるかを確認しましょう。

ミズノ M.CRAFT パターを総括

最後に、ミズノ M.CRAFT パターについての私の考えをまとめたいと思います。このパターは、単に日本のメーカーが作ったパターという枠を超え、世界レベルの鍛造技術と現代の物理学が融合した傑作です。

「打感」に妥協したくない人。道具を自分に合わせて「調整」する楽しみを知っている人。そして、ブランド料ではなく「本質的な価値」に対価を払いたいと考える賢明なゴルファー。そういった方々にとって、M.CRAFTは間違いなく最適なソリューションになります。特にOMOIシリーズは、ショートパットに悩む多くのアマチュアゴルファーを救う可能性を秘めています。

もしあなたが、今のパターに何かしらの違和感を感じているなら、あるいはスコッティ・キャメロンへの憧れはあるけれど価格で躊躇しているなら、ぜひ一度M.CRAFTを手に取ってみてください。その「重厚な打感」と「美しい仕上げ」に触れた瞬間、新しいゴルフの扉が開くかもしれません。

この記事が、皆さんのパター選びの一助となれば幸いです。最後まで読んでいただき、ありがとうございました。

ミズノ M.CRAFT パター総まとめ

  • 軟鉄鍛造ならではの「吸い付くような柔らかい打感」は唯一無二。
  • OMOIシリーズの重さは、ストロークの安定とショートパットの成功率を高める。
  • ウェイトキット標準装備で、コスパ最強かつ調整の幅が広い。
  • 錆びやすいのでメンテナンスは必須だが、育てる楽しみがある。
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