
ゴルフ会員権は時代遅れという言葉を耳にすることもあるかもしれません。しかし、本当にそうなのでしょうか。ゴルフ会員権を持っているとかかる費用や、そのメリット、デメリット、そして今後の動向について、多くの人が疑問を抱えています。ゴルフ会員権が高い理由や、元が取れるのかといった費用対効果、さらには購入した後に後悔しないか、買ってはいけないゴルフ会員権があるのかといった不安も聞かれます。また、ゴルフ会員権が要らなくなった時の売却や退会の返金、売れない場合の対処法、そしてゴルフ場の2025年問題やゴルフ会員権の持ち主が死亡したらどうなるのかといった具体的なケースについても知りたいと思っているのではないでしょうか。
- ゴルフ会員権の費用とそれが時代遅れと言われる理由を把握できます
- 会員権を持つメリットとデメリットを多角的に比較検討できます
- 購入後の後悔や売却、退会に関する具体的な解決策を知ることができます
- ゴルフ会員権の今後の価値や動向について予測を立てられます
ゴルフ会員権は本当に時代遅れなのか
- ゴルフ会員権が高い理由とは
- ゴルフ会員権を持っているとかかる費用
- ゴルフ会員権のメリット
- ゴルフ会員権のデメリット
- 買ってはいけないゴルフ会員権とは
- ゴルフ会員権は元が取れるのか
- ゴルフ会員権は後悔する?
- ゴルフ会員権はなぜ必要なのか
- ゴルフ会員権が要らなくなった場合の対応
- ゴルフ会員権を退会すると返金はされますか?
- ゴルフ会員権が売れない場合はどうすればいいですか?
ゴルフ会員権が高い理由とは

ゴルフ会員権が高い理由には、いくつかの要因が考えられます。古くはバブル経済期において、ゴルフ会員権は投機の対象とされ、非常に高額で取引されていました。当時は資産形成の一環として購入する人も多く、異常な値上がりを見せた時代もあります。
現在、多くのゴルフ会員権の価格はバブル期に比べて大幅に下落していますが、それでも数十万円から数百万円、中には数千万円以上の価値を持つものも存在します。これは、ゴルフ場の立地、コースの質、設備の充実度、ブランド力、そして会員数と需要のバランスなど、さまざまな要素が複合的に影響しているためと考えられます。特に、都心からのアクセスが良く、名門とされるゴルフ場の会員権は、その希少性から高値を維持する傾向があります。
また、ゴルフ場の運営には広大な土地の維持管理や人件費など、莫大な費用がかかります。これらの運営コストの一部が、会員権の価格や年会費に反映されているという側面もあります。高品質なサービスや手入れの行き届いたコースを提供するためには、どうしても一定の費用が必要になるものです。
ゴルフ会員権を持っているとかかる費用

ゴルフ会員権を所有すると、初期費用だけでなく、継続的にいくつかの費用が発生します。これらの費用を理解しておくことは、会員権購入の判断において大切です。
まず、会員権の購入費用そのものが最も大きな初期投資となります。これはゴルフ場や会員権の種類によって大きく異なりますが、数十万円から数千万円と幅があります。
次に、名義書換料という費用があります。これは会員権の名義を旧所有者から新所有者へと変更する際にゴルフ場に支払う手数料です。名義書換料もゴルフ場によって差があり、数万円から数百万円かかることがありますが、一部名門ゴルフ場では100万円を超える場合もあります。
毎年発生する費用としては、年会費が挙げられます。年会費はゴルフ場の運営維持のために会員が支払うもので、数万円から数十万円程度が一般的です。この年会費を支払わないと、会員資格を失う可能性もあります。
他に、入会預託金という名目で、入会時にゴルフ場に預け入れるお金がある場合もあります。これは原則として退会時や譲渡時に返還される性質のお金です。
そして、実際にプレーする際にはメンバー料金が発生します。これはビジター料金に比べて割安に設定されていますが、無料ではありません。その他、ゴルフ場によっては施設利用料やゴルフ場利用税などが別途必要となることもあります。
これらの費用を総合的に考慮し、自身のプレー頻度や予算に見合うかどうかを検討することが大切だと言えるでしょう。
ゴルフ会員権でかかる費用
ゴルフ会員権を所有する際にかかる費用は、大きく分けて初期費用と継続費用、そして売却時の手数料があります。これらの費用を以下の表にまとめました。
費用の種類 | 詳細 | 補足事項 |
---|---|---|
初期費用 | ||
会員権購入費用 | 会員権そのものの価格 | ゴルフ場や会員権の種類により数十万円~数千万円と幅があります |
名義書換料 | 名義変更時にゴルフ場に支払う手数料 | 数万円~数百万円。一部名門ゴルフ場では100万円を超えるケースもあります |
入会預託金 | 入会時にゴルフ場に預け入れる金額 | 原則として退会時や譲渡時に返還されますが、ゴルフ場の経営状況によります |
継続費用 | ||
年会費 | ゴルフ場の運営維持のために毎年支払う費用 | 数万円~数十万円が一般的で、支払わないと会員資格を失う可能性があります |
プレー料金 | 実際にラウンドする際にかかる料金 | 会員価格はビジターより割安ですが、無料ではありません |
施設利用料 | 特定の施設利用時に発生する費用 | ゴルフ場によっては別途必要な場合があります |
ゴルフ場利用税 | ゴルフ場利用時にかかる税金 | 各地方自治体が課税し、プレー料金とは別に請求されることがあります |
売却時費用 | ||
取引手数料 | 会員権仲介業者に支払う手数料 | 売却価格や業者によって異なります |
年会費の清算 | 未経過分の年会費の精算 | 売却時に返還される場合や、買い手との間で調整されることがあります |
譲渡所得税 | 売却益が出た場合に発生する税金 | 利益が50万円以上の場合に確定申告が必要です |
ゴルフ会員権のメリット

ゴルフ会員権を持つことには、多くのメリットがあります。
- プレー料金優遇
- 予約優先権
- メンバータイム利用
- クラブ競技会参加
- ゴルフ仲間増加
- オフィシャルハンディキャップ取得
- 会員専用施設利用
- 練習場・レストラン利用
- 豊かなゴルフライフとコミュニティ参加
一つ目のメリットは、プレー料金の優遇です。会員であれば、ビジターに比べて格段に安い料金でプレーできることがほとんどです。特に土日や祝日など混雑する時間帯では、この料金差が顕著になります。
二つ目のメリットは、予約の優先権です。人気のゴルフ場やトップシーズンでは、ビジターではなかなか予約が取れないことがあります。しかし、メンバーであれば優先的な予約枠が設けられていたり、予約開始時期が早かったりするため、希望する日にプレーしやすくなります。一人予約を受け付けているゴルフ場や、当日でもプレーできるメンバータイムが設定されているところもあります。
三つ目のメリットは、クラブ競技への参加です。月例競技会やクラブチャンピオン選手権など、ゴルフ場が主催するさまざまな競技会に参加することができます。これは、自身の腕前を試す良い機会となり、ゴルフ上達へのモチベーションにもつながります。
四つ目のメリットとして、ゴルフ仲間の増加が挙げられます。ゴルフ場のメンバーは共通の趣味を持つ人々であるため、自然な形で交流が生まれ、新たな友人関係を築くことができます。ビジネス上の人脈が広がる可能性も考えられます。
五つ目のメリットは、オフィシャルハンディキャップの取得です。JGA(日本ゴルフ協会)に認定されたゴルフ場のメンバーになると、JGAのオフィシャルハンディキャップを取得できます。これにより、自身の腕前が客観的に示され、JGA主催の競技会に参加することも可能となります。
さらに、会員専用のロッカールームやラウンジ、練習場など、充実した施設を利用できることも魅力です。プレーしない日でも、練習だけに行ったり、レストランを利用したりできるゴルフ場もあります。
言ってしまえば、ゴルフ会員権は単なるプレーの権利以上の、豊かなゴルフライフとコミュニティへの参加を可能にするものだと言えるでしょう。
ゴルフ会員権のデメリット
ゴルフ会員権には多くのメリットがある一方で、考慮すべきデメリットも存在します。購入を検討する際には、これらのデメリットも十分に理解しておくことが大切です。
- 初期費用と年会費が高額
- 費用対効果が低い可能性(利用頻度による)
- 交通費やアクセスの問題で利用頻度が下がる可能性
- 転勤やライフスタイルの変化で通えなくなるリスク
- 購入時より会員権の価値が下落するリスク
- ゴルフ場が経営破綻する可能性
- 預託金が返還されない場合がある
- 人付き合いが負担になることがある(交流が苦手な場合)
- 同じコースばかりになり、多様性に欠けると感じることがある
まず、初期費用と年会費が高額であることが挙げられます。前述の通り、会員権の購入にはまとまった資金が必要となり、購入後も毎年年会費が発生します。費用対効果は個人の価値観や利用頻度によって異なりますが、もしプレー回数が少ないと感じる場合、継続的な費用が負担に感じるかもしれません。
次に、プレー回数が想定より少ないと、せっかく会員権を購入しても、その金銭的な恩恵を受けにくいという側面があります。ゴルフ場までの交通費や所要時間、アクセス状況なども考慮し、自分が継続的に通える場所かどうかを見極める必要があります。転勤やライフスタイルの変化によって、ゴルフ場に通えなくなるリスクも考えられます。
また、購入したゴルフ会員権の価値が下落するリスクも存在します。ゴルフ会員権の価格は市場の需給バランスによって変動し、購入時よりも売却時に価値が下がってしまうこともありえます。バブル崩壊後には、会員権価格が大幅に下落し、多くの人が損失を被った歴史もあります。
さらに、ゴルフ場が経営破綻する可能性もゼロではありません。もしゴルフ場が倒産した場合、会員権の価値が失われ、預託金が破産債権として扱われ、返還されないといったケースも発生しうるのです。
会員同士の交流が活発なゴルフ場では、人付き合いが苦手な人にとっては負担に感じることもあるかもしれません。また、同じコースばかりを回ることになり、多様なコースでプレーしたいと考える人には物足りなさを感じる可能性もあります。
これらのデメリットをメリットと比較し、自身のゴルフスタイルやライフプランに照らし合わせて慎重に検討することが、後悔しない選択をする上で重要になります。
買ってはいけないゴルフ会員権とは

買ってはいけないゴルフ会員権には、いくつかの明確な特徴があります。これらの特徴を理解しておくことで、後悔する購入を避けることができます。
- 運営企業の財務状況に問題がある
- 予約が極端に取りにくい、または利用頻度が厳しく制限されている
- 費用体系が不明確で、高額な追加料金が頻発する可能性がある
- 名義書換料が会員権代金に比べて著しく高い
- 人間関係が複雑なゴルフ場(メンバー間や運営会社とのトラブル)
- ビジターを過度に入れすぎているゴルフ場
第一に、運営企業の財務状況に問題があるゴルフ会員権は避けるべきです。経営が不安定なゴルフ場は、突然の閉鎖やサービスレベルの低下といったリスクを抱えています。過去に破産や会社更生法の適用を受けた経緯がある企業は、特に注意が必要だと言えるでしょう。
第二に、予約が極端に取りにくい、または利用頻度が厳しく制限されているゴルフ会員権も推奨されません。せっかく会員権を購入しても、プレーしたい時に予約が取れなければ、そのメリットを享受できません。適切な会員数は18ホールあたり1,500人程度が目安とされていますが、それ以上に会員数が多く、予約開始日に電話が繋がらないようなゴルフ場は避けるべきです。
第三に、費用体系が不明確で、購入後に高額な追加料金が頻発する可能性がある会員権も危険です。購入前に、初期費用だけでなく、年会費や施設利用料、その他の維持費について、詳細かつ明確な説明があるかを確認することが大切ですし、これが出来れば判断に役立ちます。特に名義書換料が会員権代金と比べて同額以上、あるいは2~3倍以上と著しく高い場合は、売却時の換金性が低い可能性を示唆しています。
第四に、人間関係が複雑なゴルフ場の会員権も避ける方が無難です。メンバーと運営会社の間でトラブルが頻発していたり、メンバー間に派閥があったりするゴルフ場は、快適なゴルフライフを送る上でストレスとなる可能性があります。個別のゴルフ場の内部事情は、既存メンバーや信頼できるゴルフ会員権業者から情報を収集することが大切です。
最後に、ビジターを過度に入れすぎているゴルフ場も注意が必要です。メンバーシップを重視せず、収益確保のためにビジター枠を増やしすぎているゴルフ場では、メンバーが優遇されていると感じにくくなることがあります。また、ビジターの中にはマナーが悪いプレーヤーもいるため、コースのメンテナンス状況が悪化したり、プレーの進行が遅くなったりする原因となることも考えられます。
これらの特徴を持つゴルフ会員権は、購入後に後悔する可能性が高いため、慎重な検討が求められます。
ゴルフ会員権は元が取れるのか
ゴルフ会員権を購入して「元が取れるか」という疑問は、多くの人が抱くところです。しかし、元が取れるかどうかは、個人のプレー頻度やゴルフ場の料金体系によって大きく変わってきます。
元を取るための基本的な計算式は、「入会する際に支払った払いっぱなしの金額」を「ビジターフィーとメンバーフィーの差額」で割ることで導き出せます。ここでいう「払いっぱなしの金額」には、名義書換料、年会費、取引手数料が含まれます。会員権代金や入会預託金は、売却時や退会時に返還される可能性があるため、この計算には含めません。
たとえば、名義書換料100万円、年会費5万円、取引手数料5.5万円の会員権を10年間保有し、ビジターフィーが3万円、メンバーフィーが8千円のゴルフ場の場合で考えてみましょう。払いっぱなしの金額は合計で155.5万円となります。ビジターフィーとメンバーフィーの差額は2.2万円です。この場合、155.5万円を2.2万円で割ると約70.7回となり、10年間で約71回プレーすれば元が取れる計算です。年間約7回のペースでプレーできれば、十分に費用対効果を享受できると言えるでしょう。
しかし、これはあくまで費用面だけの計算であり、ゴルフ会員権の価値は金銭的な側面だけでは測れません。むしろ、メンバーシップに付随する優先予約権、競技会への参加、仲間との交流、そして「ホームコース」を持つことによる精神的な満足感など、数値化しにくいメリットも多くあります。
つまり、単に金銭的な「元を取る」ことだけにとらわれず、自身のゴルフライフをどれだけ豊かにできるかという長期的な視点で会員権の価値を捉えることが重要だと言えます。プレー回数が少ない場合でも、長いスパンで見れば節約になる可能性もありますし、何よりもゴルフを通して得られる体験やコミュニティとの繋がりには大きな価値があるからです。
ゴルフ会員権は後悔する?

ゴルフ会員権の購入後に後悔するケースは実際に存在しますが、それは主に購入前の検討不足や、自身のゴルフスタイルとのミスマッチが原因です。後悔しないためには、具体的な事例から学び、対策を講じることが重要になります。
後悔する例として、まず「費用に見合う利用ができない」という点が挙げられます。これは、初期費用や年会費を支払ったものの、プレー頻度が想定よりも少なく、金銭的なメリットを感じにくいケースです。特に、転勤やライフスタイルの変化によって、ゴルフ場に通えなくなるリスクも考えられます。
次に、「ゴルフ場を比較検討せずに購入した」という後悔です。複数のゴルフ場を見比べずに購入すると、後になって「もっと良いゴルフ場があったのではないか」と感じてしまうことがあります。隣の芝生は青く見える、ということわざがあるように、他のゴルフ場が良く見えてしまうことは少なくありません。
また、「妥協して購入した」というのもよくある後悔の例です。本来求めていた条件を満たさない会員権を「とりあえず」で購入してしまうと、後から理想の会員権が売り出された際に、大きな後悔につながることがあります。
これらの後悔を避けるためには、まず自身のゴルフスタイルやプレー頻度を明確にすることから始めましょう。週に何回プレーするのか、休日の利用がメインなのか、どのような環境でゴルフを楽しみたいのかを具体的にイメージすることが大切ですし、これが出来れば判断に役立ちます。
そして、購入を検討しているゴルフ場について徹底的に情報収集を行い、可能であれば実際に訪れて視察プレーをしてみることをおすすめします。コースの難易度、景観、設備、スタッフの対応、混雑状況などを自身の目で確認することで、カタログやウェブサイトだけでは分からない雰囲気を掴むことができます。
さらに、信頼できるゴルフ会員権業者に相談し、複数のゴルフ場の相見積もりを取ることも有効ですし、こうすれば納得いく選択ができます。専門家のアドバイスを受けることで、自身では気づかないリスクやメリットを発見できることもあります。
ゴルフ会員権は高額な買い物です。だからこそ、衝動的な購入を避け、計画的に慎重に検討することで、後悔のない満足のいく選択ができるでしょう。
ゴルフ会員権はなぜ必要なのか

ゴルフ会員権は時代遅れという意見がある一方で、現代においてもその必要性は多岐にわたります。単にゴルフをするだけでなく、ゴルフを通じた豊かなライフスタイルを求める人々にとって、会員権は今なお価値あるものと考えられています。
まず、安定したプレー環境の確保という点で、会員権は必要不可欠です。ビジターでは土日祝日やトップシーズンに予約が取りにくいことが多いですが、会員であれば優先的に予約ができ、自分の好きなタイミングでプレーしやすくなります。メンバータイムが設けられているゴルフ場も多く、一人でも気軽にラウンドできる点は大きな魅力ですす。
次に、ゴルフを通じたコミュニケーションと人脈形成の場として、会員権は価値を発揮します。共通の趣味を持つ仲間と出会い、クラブ競技会やイベントを通じて交流を深めることは、ビジネス上のメリットだけでなく、日々の生活に彩りを与えてくれるでしょう。ゴルフ場は、単なるスポーツ施設ではなく、社交の場としての側面も持ち合わせているのです。
さらに、自身のゴルフスキルの向上を目指す上でも、会員権は役立ちます。ホームコースを持つことで、コースの特徴を深く理解し、戦略的なプレーを繰り返すことができます。クラブ競技会への参加は、普段のラウンドとは異なる緊張感と目標を与え、上達へのモチベーションを高めてくれます。オフィシャルハンディキャップを取得できることも、競技ゴルフを目指すゴルファーにとっては重要な要素です。
また、会員制ゴルフ場ならではの充実した設備やサービスも、会員権が必要とされる理由の一つです。会員専用の練習場やロッカールーム、質の高いレストランなど、プレー以外の時間も快適に過ごせる環境は、ゴルフライフをより豊かなものにします。
このように、ゴルフ会員権は単なる「安くプレーする権利」以上の価値を提供しており、自身のゴルフライフをより深く、より豊かに、そして継続的に楽しみたいと考える人々にとって、今なお魅力的な選択肢であると言えるでしょう。
ゴルフ会員権が要らなくなった場合の対応

ゴルフ会員権が不要になった場合、主な対応方法は「売却」と「ゴルフ場への退会(返還)」の2種類です。どちらの方法を選ぶかは、会員権の種類、ゴルフ場の経営状況、そして現在の市場相場によって判断が分かれます。
まず、会員権を第三者に売却する方法があります。これは、ゴルフ会員権が有価証券としての側面を持つため、株式のように市場で取引されることが多いです。個人で買い手を探すのは非常に難しいため、通常はゴルフ会員権の仲介業者に依頼して売却を進めます。この方法のメリットは、売却価格によっては購入費用の一部または全部を回収できる可能性があることです。特に、名門コースや人気のあるゴルフ場の会員権は、高値で売却できるケースもあります。売却時には、仲介手数料や未経過分の年会費の清算など、諸費用が発生します。
次に、ゴルフ場に直接退会届を提出し、預託金の返還を求める方法があります。預託金制の会員権であれば、原則として一定の据置期間が経過していれば預託金が返還されることになっています。しかし、前述の通り、ゴルフ場の経営状況によっては全額が返還されない、あるいは返還自体が困難な場合もあります。預託金が破産債権に格下げされるケースもある点を認識しておくべきでしょう。そのため、退会を検討する際には、事前にゴルフ場に問い合わせて預託金の返還状況や条件を確認することが大切です。
もし、市場での売却もゴルフ場からの預託金返還も難しい場合、経済的な損失を伴うことになりますが、年会費を払い続ける負担を避けるために、そのまま会員権を放棄するという選択肢も考えられます。この場合、会員としての権利は失われますが、将来的な金銭的負担はなくなります。
また、税理士に相談して、売れないゴルフ会員権の処分と節税についてアドバイスを受けることも一つの方法です。資産としての価値がなくなったと認められれば、税務上の損金として扱える可能性もありますが、これは個別の状況や税法によって異なるため、専門家の意見が不可欠です。
このように、ゴルフ会員権が売れない状況に直面しても、複数の選択肢が存在します。ご自身の会員権の種類、ゴルフ場の状況、そして今後のライフプランを総合的に考慮し、最適な対処法を選択することが大切です。
ゴルフ会員権を退会すると返金はされますか?

ゴルフ会員権を退会した場合に返金があるかどうかは、その会員権の「発行形態」と「ゴルフ場の経営状況」によって異なります。
多くの日本のゴルフ会員権は「預託金制」を採用しています。預託金制とは、会員がゴルフ場に対して一定の金額を預託金として預け、その代わりに優先的な施設利用権を得るというものです。この預託金は、入会時にゴルフ場を建設するための資金として集められたもので、原則として一定の据置期間(10年〜20年程度が多い)が経過した後に、会員が退会する際に返還される約束になっています。
しかし、バブル経済の崩壊後、多くのゴルフ場が経営難に陥り、預託金の返還が困難になる問題が多発しました。そのため、現在では退会を申し出ても預託金が全額返還されないケースや、分割での返還が提案されるケース、あるいはまったく返還されないケースも少なくありません。返還はゴルフ場の経営状態に強く依存し、返還されないケースも少なくありません。裁判によって返還が命じられても、ゴルフ場に支払い能力がなければ回収は困難な場合もあります。
一方で、「株主会員制」や「社団法人制」のゴルフ会員権には、預託金という概念がない場合がほとんどです。株主会員制では、会員はゴルフ場の株主となるため、退会しても預託金のような返還は原則としてありません。株を売却する形になります。社団法人制の多くは譲渡を認めていないため、そもそも売却や返還を前提としていません。
したがって、退会を検討する際には、まずご自身のゴルフ会員権がどの発行形態であるかを確認し、ゴルフ場の会則や現在の経営状況、預託金の据置期間などを事前に確認することが非常に重要です(これが出来れば判断に役立ちます)。信頼できるゴルフ会員権業者に相談すれば、返金される可能性や手続きの煩雑さについて具体的なアドバイスを得られるでしょう。
ゴルフ会員権が売れない場合はどうすればいいですか?

ゴルフ会員権が売れない場合でも、いくつかの対処法が考えられます。保有しているだけで年会費が発生し続けるため、売却が難しい状況は所有者にとって大きな負担になりかねません。
まず、売却価格の見直しが考えられます。人気のあるゴルフ場や名門コースの会員権は比較的高値で取引される傾向にありますが、そうでない場合、現在の市場価格と自身の希望価格に大きな隔たりがあることが売れない原因となっている可能性があります。仲介業者に相談し、適正な市場価格を把握した上で、損をしてでも手放す覚悟が必要になるかもしれません。
次に、ゴルフ場に直接退会届を提出し、預託金の返還を求める方法があります。預託金制の会員権であれば、原則として一定の据置期間が経過していれば預託金が返還されることになっています。しかし、前述の通り、ゴルフ場の経営状況によっては全額が返還されない、あるいは返還自体が困難な場合もあります。預託金が破産債権に格下げされるケースもある点を認識しておくべきでしょう。そのため、退会を検討する際には、事前にゴルフ場に問い合わせて預託金の返還状況や条件を確認することが大切です。
もし、市場での売却もゴルフ場からの預託金返還も難しい場合、経済的な損失を伴うことになりますが、年会費を払い続ける負担を避けるために、そのまま会員権を放棄するという選択肢も考えられます。この場合、会員としての権利は失われますが、将来的な金銭的負担はなくなります。
また、税理士に相談して、売れないゴルフ会員権の処分と節税についてアドバイスを受けることも一つの方法です。資産としての価値がなくなったと認められれば、税務上の損金として扱える可能性もありますが、これは個別の状況や税法によって異なるため、専門家の意見が不可欠です。
このように、ゴルフ会員権が売れない状況に直面しても、複数の選択肢が存在します。ご自身の会員権の種類、ゴルフ場の状況、そして今後のライフプランを総合的に考慮し、最適な対処法を選択することが大切ですす。
ゴルフ会員権の持ち主が死亡したらどうなる?

ゴルフ会員権の持ち主が死亡した場合、その会員権は相続財産として扱われます。したがって、相続人がその会員権をどのように扱うか、いくつかの選択肢が生じます。
最も一般的な選択肢は、「相続人が引き継いで使用する」か「売却する」かの二つです。
相続して自分で使用する場合、相続人はゴルフ場に対して名義書換手続きを行う必要があります。この際、ゴルフ場によって名義書換料が発生することが多く、その金額は数十万円から百万円以上になることもあります。必要書類としては、故人の戸籍謄本や遺産分割協議書、相続人全員の印鑑証明書などが求められます。法人名義の会員権の場合、相続ではなく名義変更や別途対応が必要となることがあります。ゴルフ場によっては相続の場合の入会審査が免除されることもありますが、そうでない場合もありますので、事前に確認が必要です。相続後も年会費などの維持費がかかり続けるため、中長期的な支出を考慮した上で判断することが大切です。
売却する場合、これも仲介業者を通じて第三者に売却するのが一般的です。故人名義のまま売却できるゴルフ場もあれば、一度相続人名義に名義書換をしてからでないと売却できないゴルフ場もあります。そのため、売却を検討する際には、まずゴルフ場に名義書換の要否を確認することが重要ですます。売却価格は市場の動向によって変動するため、事前に概算査定を依頼し、現在の価値を把握しておくことをおすすめします。売却時には、故人の印鑑証明書など、生前であれば簡単に取得できる書類が取得できない可能性があるため、死亡を証明する書類の提出が必要となり、手続きが複雑化することもあります。
また、ゴルフ会員権の存在に家族が気づかないケースも少なくありません。年会費が口座引き落としになっていて、故人の口座凍結後に未納状態となり、ゴルフ場からの連絡で初めて会員権の存在を知るということもありえます。このような事態を避けるためにも、生前のうちに会員権の有無や処分の意向について家族に伝えておくことが、無用な精神的・経済的負担を避ける上で最も大切です。
ゴルフ会員権は時代遅れではない理由と今後の動向
- ゴルフ場の2025年問題とは?
- ゴルフ会員権の値上がり動向
- ゴルフ会員権は時代遅れではない
ゴルフ場の2025年問題とは?

ゴルフ業界における「2025年問題」とは、主に団塊の世代(1947年~1949年生まれ)が後期高齢者(75歳以上)となることで生じる、様々な課題を指します。この世代は長らく日本のゴルフ産業を支えてきた中心層であり、彼らがゴルフから離れることで業界全体に大きな影響が出ると懸念されています。
具体的には、体力的な衰えによるプレー回数の減少や、運転免許証の返納によるゴルフ場へのアクセスの困難化、さらには年金生活に入ることによる年会費やプレー費といった経済的負担の増加が考えられます。これらの要因が重なることで、ゴルフ人口の減少が加速し、会員権の退会者が増加することでゴルフ場の経営を圧迫する可能性が指摘されているのです。
また、ゴルフ場側の課題としては、キャディやコース管理スタッフの高齢化と人手不足も挙げられます。熟練したスタッフの引退が進む中で、後継者不足が深刻化し、高品質なコース維持が難しくなることも懸念されています。
しかし、一方でゴルフ業界はこれまでの「おじさんのスポーツ」というイメージから脱却し、新たな層の取り込みに成功している側面もあります。コロナ禍をきっかけに、屋外でソーシャルディスタンスを保ちながら楽しめるゴルフが見直され、若年層や女性の新規ゴルファーが増加傾向にあるのです。テクノロジーを活用した新しいゴルフ体験の提供や、インバウンド需要の取り込みなども、ゴルフ業界が今後成長していく上での鍵となります。
このように、2025年問題はゴルフ業界にとって大きな転換点となりうる課題ですが、同時に新たな成長機会を見出すための契機とも考えられています。各ゴルフ場は、多様なライフスタイルに合わせた会員制度の改革や、設備投資、サービスの向上に取り組むことで、持続可能な発展を目指していると言えるでしょう。
ゴルフ会員権の値上がり動向

ゴルフ会員権の価格は、過去にはバブル経済期に高騰し、その後崩壊とともに大幅に下落するという大きな変動を経験してきました。しかし、近年では一部のゴルフ場で値上がりの傾向が見られます。
これは、新型コロナウイルスの影響で屋外スポーツとしてのゴルフが再評価され、ゴルフ人口が増加したことが一因と考えられます。特に、都心からのアクセスが良い名門コースや、質の高いサービスを提供するゴルフ場では、需要が高まり、会員権価格が上昇する傾向にあります。
例えば、東京都内のゴルフ場では、2024年に入ってから会員権価格が上昇した事例も報告されています。青梅ゴルフ倶楽部や東京よみうりカントリークラブなどの名門コースでは、会員権の相場が比較的短期間で大きく上昇したところもあります。
この値上がりの背景には、クラブの歴史的価値、高いブランド力、安定した経営母体、充実した設備投資、そして何よりも入会条件の厳しさによる会員数の限定性などが挙げられます。特に、新規会員の募集を制限しているゴルフ場では、供給が少ないため希少性が高まり、相場を押し上げる要因となることがあります。
しかし、ゴルフ会員権市場全体で見ると、全てのゴルフ場が値上がりしているわけではありません。地方のゴルフ場や、運営状況に問題があるゴルフ場では、依然として低迷しているケースも多く見られます。また、団塊の世代の引退に伴う売却増加の傾向も見られるため、今後も二極化が進む可能性は考えられます。
いずれにしても、ゴルフ会員権の価格は市場の需給バランスや経済状況、そして個々のゴルフ場の魅力によって変動します。購入を検討する際には、最新の相場情報を確認し、ゴルフ場の将来性を見極めることが大切です。
ゴルフ会員権は時代遅れではない

ゴルフ会員権が時代遅れという認識は、一概には当てはまらないと考えられます。現代のゴルフライフにおいて、会員権は依然として多くのゴルファーにとって価値ある選択肢であり続けています。
たしかに、インターネット予約サイトの普及により、会員権を持たなくても気軽にゴルフ場を予約できるようになり、多様なコースでプレーする機会は増えました。しかし、だからといって会員権の価値が失われたわけではありません。
むしろ、会員権は単なる「プレーする権利」を超えた「メンバーシップ」という価値を提供しています。例えば、週末や祝日、トップシーズンなど混雑する時期でも、メンバーであれば優先的に予約が取れるメリットは非常に大きいものです。ビジターでは得られないプレーの自由度は、ゴルフを頻繁に楽しむ人にとってはかけがえのないものと言えるでしょう。
また、ゴルフ場が提供するコミュニティへの参加も、会員権の重要な価値の一つです。クラブ競技会やメンバー間の交流を通じて、ゴルフ仲間が増え、共通の趣味を持つ人々と深い絆を築くことができます。これは、仕事や日常生活では得られない、豊かな人間関係の構築につながります。
さらに、近年ではゴルフ会員権の価値観も変化しています。かつてのような資産価値としての側面だけでなく、その場所で得られる体験やコミュニティとの繋がり、そして趣味の一環としての価値が重視されるようになりました。テクノロジーの発展により、ゴルフの楽しみ方も多様化し、VRやAIを活用した練習方法なども登場していますが、リアルなゴルフ体験とその場での交流は、会員権を持つことでより一層深まります。
一部のゴルフ場では、若年層や女性ゴルファーのニーズに応えるべく、柔軟な会員制度や新しいサービスを導入し、会員権の魅力を高める努力をしています。例えば、家族会員制度の導入や、提携コースの拡大など、多様なライフスタイルに対応したサービス展開が見られます。
このように、ゴルフ会員権は単なる「古い慣習」ではなく、現代のゴルフライフにおいて独自の価値と魅力を持ち続けています。それが、効率的なラウンドを望む人、ライフスタイルを豊かにしたい人、そしてゴルフを通じて深い繋がりを求める人々にとって、今なお必要とされている理由だと考えられます。
ゴルフ会員権は本当に時代遅れなのか?まとめ
- ゴルフ会員権は時代遅れという見方は一概には当てはまらない
- 現代のゴルフライフにおいて会員権は価値ある選択肢であり続ける
- インターネット予約の普及後も会員権の価値は失われていない
- 会員権は単なるプレーする権利以上のメンバーシップ価値を提供する
- 週末やトップシーズンでも優先的に予約できる大きなメリットがある
- ビジターでは得られないプレーの自由度が魅力である
- ゴルフ場が提供するコミュニティへの参加も重要な価値である
- クラブ競技会やメンバー間の交流でゴルフ仲間が増える
- ゴルフを通じた豊かな人間関係の構築につながる
- 近年、ゴルフ会員権の価値観は資産価値から体験や繋がりへ変化している
- テクノロジーの進化があってもリアルな交流は会員権で深まる
- 若年層や女性ゴルファー向けの柔軟な会員制度も導入されている
- 家族会員制度や提携コースの拡大など多様なサービスが提供されている
- 効率的なラウンドや豊かなライフスタイルを求める人に今なお必要とされている
- したがって、ゴルフ会員権は古い慣習ではなく独自の魅力を持つ