OCロートルクパター評価!スコッティキャメロンのオンセットセンター

OCロートルクパター評価!スコッティキャメロンのオンセットセンター
公式サイトより

こんにちは。ゴルフの縁道、運営者のえにしです。

スコッティキャメロンから登場した新しいOCシリーズ。「ロートルク」という言葉を聞いて、今話題のゼロトルクパターと何が違うのか、気になっている方も多いのではないでしょうか。オンセットセンターという聞き慣れない形状が、実際のラウンドでどのようなメリットをもたらすのか。価格も高額なだけに、購入前にその性能や評価をしっかり確認しておきたいところですよね。

  • ゼロトルクとは異なる「ロートルク」の明確なメリット
  • オンセットセンター形状がもたらす構えやすさと視覚効果
  • L.A.B. Golfなどの競合製品と比較した際の打感の違い
  • 実際に使用して分かった操作性とショートパットの安定感
目次

OC(Onset Center)のロートルクパターの革新性

長年、パター市場の王者として君臨してきたスコッティキャメロンが、満を持して投入した「OC(Onset Center)」シリーズ。これは単なる新モデルの追加ではなく、物理学的なアプローチで「ストロークの安定」を再定義しようとする挑戦的なプロジェクトです。なぜ今、キャメロンが「ロートルク」に舵を切ったのか、その技術的な核心に迫ります。

ゼロトルクとロートルクの技術的な違い

ここ数年、パター市場を席巻しているのが「ゼロトルク」という概念です。L.A.B. Golfなどが提唱するこの技術は、ストローク中にフェースが開こうとする物理的な力(トルク)を完全に排除することを目的としています。トルクの方程式は「距離×力」で表されますが、ゼロトルクパターはシャフトの軸線を重心に完全に一致させ、さらにライ角バランスを取ることで、理論上のトルクをゼロにしています。これにより、パターが勝手に回転することを防ぎ、オートマチックに真っ直ぐ打てるというメリットがあります。

しかし、スコッティキャメロンのアプローチは異なります。彼らが目指したのは「ゼロ」ではなく「ロー(Low)」です。なぜなら、完全にトルクを消し去ってしまうと、プレイヤーはヘッドがどこにあるのかを感じ取れなくなり、操作感が失われる「アンコネクテッド(接続されていない)」な状態に陥りやすいからです。私自身、完全なゼロトルクパターを試した際に、ヘッドの挙動が安定しすぎていて、自分の手で操作している感覚が希薄になる経験をしたことがあります。

なぜ「ロー」なのか? キャメロンの哲学では、パッティングは「プレイヤーとクラブの対話」です。微小なトルクを残すことで、インパクトの衝撃やフェースの向きを手のひらにフィードバックさせ、プレイヤーがストロークを制御している感覚(Connected Stroke)を維持します。これにより、機械的なストロークではなく、感性を活かしたタッチが可能になるのです。

OCシリーズは、シャフト軸を重心に通すことでトルクを極限まで減らしつつも、わずかな操作余地を残しています。これにより、フェースの開閉を抑えたいけれど、完全にロボットのようにはなりたくない、というゴルファーの繊細なニーズに応えているのです。

ファントム11Rとファストバックの展開

今回のOCシリーズのデビューに合わせて選ばれたのは、スコッティキャメロンの中でも特に人気の高い2つの形状をベースにしたモデルです。それぞれの特徴を見ていきましょう。

まず一つ目は「Phantom 11R OC」です。ベースとなっているPhantom 11は、高慣性モーメント(MOI)を誇る大型マレットですが、今回の「11R」は名前の通り、ウィング部分がラウンド(Round)形状になっています。直角的なデザインが多い最近のマレットパターの中で、この角の取れた柔らかいフォルムは、アドレスした時に視覚的なプレッシャーを与えません。地面に置いた瞬間の座りの良さは特筆もので、303ステンレススチールのボディと6061アルミニウムのソールプレートを組み合わせたマルチマテリアル構造により、重心位置が最適化されています。

もう一つは「Studio Style Fastback OC」です。こちらは伝統的なブレードパターの操作性と、マレットの寛容性を融合させたミッドマレット形状です。ファストバックは長年愛されている形状ですが、OCモデルでは専用のネック位置(スパッド)が採用されています。特筆すべきは、ステンレスボディに「SCS(スタジオ・カーボン・スチール)」という軟鉄系のインサートが組み込まれている点です。これにより、ステンレスのしっかりとした剛性感の中に、軟鉄特有の吸い付くような柔らかい打感が加わり、絶妙なフィーリングを生み出しています。

どちらのモデルも、既存のラインナップを単に改造しただけではなく、ロートルクというコンセプトを実現するために、重量配分や素材の組み合わせが一から見直されています。

オンセットと重心位置が生む安定性

「OC」という名称の由来である「Onset Center(オンセット・センター)」は、このパターの機能美を象徴しています。通常、パターのシャフトはフェース面よりも前(ターゲット方向)にある「オフセット」や、フェース面と同じ位置にある「ストレート」が一般的です。しかし、重心を貫通させるためには、シャフトをフェース面よりも後ろ、つまり重心位置に配置する必要があります。これを「オンセット」と呼びます。

従来のオンセットパターには大きな欠点がありました。それは「ボールが右に抜けそうに見える」という視覚的な違和感です。シャフトが引っ込んで見えるため、どうしてもハンドレイト(手が後ろにある状態)で構えてしまいがちになり、結果としてプッシュアウトのミスを誘発しやすかったのです。

魔法の「1度」のシャフトリーン この問題を解決するためにキャメロンが採用したのが、シャフトをターゲット方向に「1度」だけ傾ける(リーンさせる)という手法です。たった1度ですが、この傾きがあることで、アドレスした時に自然と手がボールよりもわずかに前にある「ハンドファースト」の形に収まります。

この設計の巧みな点は、物理的には重心を貫通させながら、視覚的には違和感のないアドレスを作れることです。実際に構えてみると、シャフトがフェースを隠すことなく、トップラインがクリアに見えます。これにより、ターゲットに対してスクエアに構えやすく、テークバックの始動でもヘッドがブレる気配が全くありません。「重心を引っ張る」感覚でストロークできるため、フェース面の管理に神経を使う必要がなくなるのです。

チェーンリンクミーリングによる打感

スコッティキャメロンのパターを選ぶ最大の理由の一つが「打感」でしょう。今回のOCシリーズでは、新たに「チェーンリンクミーリング」というフェース加工技術が採用されています。これは、フェース面に鎖(チェーン)のような模様をミーリング(削り出し)で刻む技術です。

従来のディープミーリングよりも接触面積をわずかに減らすことで、インパクト時の音をチューニングしています。特にPhantom 11Rのような大型マレットは、構造上どうしても内部で音が反響しやすく、「カヲン」という空洞音が混じることがありました。しかし、このチェーンリンクミーリングにより、その高周波成分が抑制され、非常にソリッドで締まった打音になっています。

Studio Style Fastback OCにおいては、前述のSCS(軟鉄)インサートの上にこのミーリングが施されています。実際に打ってみると、その感触は「極上」の一言です。ボールがフェースに乗っている時間が長く感じられ、転がりだす瞬間の情報の解像度が非常に高い。硬すぎず、柔らかすぎず、距離感を作るために必要な音量だけが耳に届く。この感覚は、樹脂インサート系のパターでは決して味わえない、金属削り出しならではの贅沢な体験です。

詳細スペックと専用シャフトの特性

OCシリーズのスペックを見ると、キャメロンの「ロートルク」に対する本気度が伝わってきます。まず注目すべきはヘッド重量です。通常の同形状モデルと比較して、約10グラムから15グラムほど重く設計されています。これは、ヘッドの慣性モーメントを最大化し、物理的な挙動安定性を高めるためです。

しかし、単にヘッドを重くしただけでは、スイング中にシャフトが負けてしなってしまい、そのしなり戻りでトルク(ねじれ)が発生してしまいます。そこで採用されたのが、専用設計の「カスタムブラックシャフト」です。このシャフトは通常よりも剛性が高く、重いヘッドをしっかりと支えることができます。また、先端部分(チップ)の剛性を高めることで、インパクト時の当たり負けを防ぎ、ボールにエネルギーを効率よく伝達します。

スペック項目設計意図と特徴
ロフト角3.5度(標準的だが、シャフトリーンにより実効ロフトは変化)
ライ角70度(センターシャフトのため調整はシビアだが可能)
シャフトリーン1度(ハンドポジションの適正化と視界確保)
グリップMatador Mid(専用チェーンリンクテクスチャ入り)

グリップにも専用の配慮があります。「Matador Mid(マタドール・ミッド)」グリップは、適度な太さがあり、手首の余計な動きを抑制する効果があります。表面にはフェースと同じチェーンリンクのパターンが施されており、滑りにくく、重いヘッドをコントロールするためのグリップ力を確保しています。これらのパーツが一体となって、「ねじれない」ストロークを支えているのです。

おすすめなゴルファーのタイプ診断

では、このOCロートルクパターは、具体的にどのようなゴルファーに向いているのでしょうか。私の経験に基づき、いくつかのタイプを挙げてみます。

まず第一に、「ショートパットを苦手にしているが、極端な大型ヘッドや異形パターは使いたくない」という人です。1〜2メートルのパットでフェースの向きが安定しない悩みを持つ人は多いですが、だからといってL.A.B. Golfのような独特な形状を受け入れられない、美意識の高いゴルファーにとって、キャメロンの美しい仕上げとロートルク性能の融合は理想的な解決策になります。

次に、「マレット型を使いたいけれど、打感が合わずにブレード型に戻ってしまう」という人です。Phantom 11R OCはマレットのやさしさを持ちながら、打感はソリッドです。樹脂インサートのボヤけた打感が苦手な人でも、距離感を合わせやすいでしょう。

OCパターがハマる人

  • ショートパットでの押し出し、引っかけを減らしたい人
  • 「ゼロトルク」の機能には惹かれるが、打感や見た目で敬遠していた人
  • パターのストローク軌道が「ストレート・トゥ・ストレート」に近いイメージの人
  • 道具の所有感や資産価値も重視する人

逆に、フェースを大きく開閉して打つタイプ(イントゥインの度合いが強い人)や、軽いヘッドで感覚的に打ちたい人には、ヘッド重量と直進性が強すぎて扱いづらいと感じるかもしれません。

OC(Onset Center)のロートルクパターの評価

スペックや理論が素晴らしくても、実際のグリーン上で結果が出なければ意味がありません。ここからは、競合製品との比較や実際の使用感を踏まえて、OCパターの真価をシビアに評価していきます。

L.A.B. Golfなど競合モデルとの徹底比較

「ロートルク」を語る上で避けて通れないのが、ゼロトルクパターの代名詞であるL.A.B. Golf(ラブ・ゴルフ)との比較です。私自身、DF3やMezz.1を試打したことがありますが、両者の性格は明確に異なります。

L.A.B. Golfのパターは、本当に「何もしない」パターです。テークバックでヘッドを開こうとしても、頑として抵抗し、常にスクエアを保ち続けます。これは究極のオートマチック性能ですが、代償として「自分で打っている感覚」が希薄になります。また、ライ角バランスを成立させるためにセンターシャフトが斜めに刺さっていたり、ヘッド形状が独特だったりと、構えた時の違和感を覚える人も少なくありません。

一方、スコッティキャメロンOCは、「オートマチック感」と「操作感」のバランスが絶妙です。ヘッドの直進性はL.A.B.に近いレベルで高いですが、完全に固定されているわけではなく、わずかに操作を受け入れる余地があります。これにより、傾斜の強いラインで少しボールを捕まえにいったり、逃がしたりといった微調整が可能です。

また、Odysseyの「Ai-ONE Square 2 Square」やTaylorMadeの「Spider Tour ZT」などの大手メーカー製ゼロトルク系パターと比較すると、圧倒的な差は「仕上げの美しさ」と「打感」にあります。競合他社が樹脂インサートや複合素材で機能性を追求する中、キャメロンは金属加工の精度で勝負しています。所有する喜び、バッグに入っている時の高揚感において、OCシリーズは頭一つ抜けています。

実際の試打評価とユーザーの口コミ

実際にグリーン上でボールを転がしてみると、その挙動の素直さに驚かされます。特にテークバックの初動で、ヘッドが全くグラつかないのです。通常のパターだと、緊張した場面で始動の瞬間にヘッドが揺れてしまうことがありますが、OCパターはレールの上を動いているかのようにスムーズに引けます。

インパクトでは、チェーンリンクミーリングの効果で、音は静かですが手応えはしっかりあります。ボールの転がり(ロール)も非常に良く、順回転で伸びていくのが分かります。市場の初期ユーザーの声を拾ってみても、以下のような評価が多く見られます。

ユーザーの声(ポジティブ) 「テークバックで迷いが消えた。ヘッドが勝手に動いてくれる感覚。」 「L.A.B.を使っていたが、打音がどうしても好きになれなかった。OCに変えて打感が劇的に良くなった。」 「ブラックシャフトとヘッドの仕上げがカッコよくて、モチベーションが上がる。」

一方で、ネガティブな意見としては「重さ」に関するものが目立ちます。「ヘッドが重すぎて距離感が合わない」「ロングパットでショートしてしまう」という声です。これは、従来の軽量パターに慣れている人にとっては、+15gの増量はかなり大きな変化だからです。慣れるまでは、振り幅ではなくヘッドの重さを利用して打つ意識改革が必要になるでしょう。

導入のメリットと知っておくべき欠点

OCパターを導入する最大のメリットは、「ショートパットのイージー化」です。1〜2メートルのパットにおいて、フェース面の向きを気にする必要がほぼなくなります。ラインを決めて、その方向にヘッドを動かすだけ。このシンプルな動作が可能になることで、プレッシャーのかかる場面での入る確率は格段に上がります。

また、ミスヒットへの寛容性も非常に高いです。重心を貫通しているため、多少芯を外してもヘッドが当たり負けせず、フェースの向きが変わりません。結果として、方向性が狂いにくく、カップインの確率を底上げしてくれます。

知っておくべきデメリット 最大の障壁はやはり「価格」です。通常のキャメロンパターよりも高額な設定となっており、気軽に試せる金額ではありません。また、オンセット形状特有の「見た目のクセ」も無視できません。1度のシャフトリーンがあるとはいえ、これまでクランクネックやショートスラントを使っていた人にとっては、シャフトがヘッドの中央から生えている景色に慣れるまで時間がかかる可能性があります。そして、ロフトやライ角の調整も、特殊なネック形状のため、信頼できる工房でないと難しい場合があります。

日本国内の価格設定と発売日情報

スコッティキャメロン OCシリーズは、2025年11月14日に発売されました。気になる日本国内での価格ですが、オープン価格ではあるものの、実勢価格としては税込で90,200円前後で販売されています。通常のPhantomシリーズやSuper Selectシリーズと比較しても、1万〜2万円ほど高いプレミアムな価格設定となっています。

高額ではありますが、専用のブラックシャフト、専用グリップ、そして複雑な加工が必要なオンセットセンターネックの製造コストを考えれば、納得できる範囲とも言えます。また、スコッティキャメロンのパターはリセールバリュー(再販価値)が非常に高いため、もし合わなかった場合でも、比較的高値で手放すことができるのは大きな安心材料です。資産価値としての側面も考慮すれば、長期的なコストパフォーマンスは決して悪くないと私は考えます。

ショートパットの改善と操作性の両立

多くのゴルファーがスコアを崩す原因となるのが、1.5メートル前後のいわゆる「入れごろ外しごろ」のパットです。この距離で最も怖いのは、インパクトでフェースが緩んで開いたり、逆にパンチが入って被ったりすることです。OCパターは、この「不意なフェースの開閉」を物理的に抑制してくれます。

私が試打して特に感じたのは、下りのスライスラインのようなデリケートな場面での安心感です。通常のパターだと、フェースが開いて右に抜けるのを怖がって、無意識に手首で捕まえにいってしまい、結果として引っかけるミスが出がちです。しかしOCパターなら、フェースが変わらないと信じられるため、薄いラインにも自信を持って打ち出していけます。

また、ロングパットにおいては、ヘッドの重さが活きてきます。手先でパチンと打つのではなく、肩のストロークでゆったりと振ることで、安定した転がりが得られます。操作性が全くないわけではないので、超ロングパットで大きくアークを描いて距離を合わせるような打ち方にも、ある程度対応してくれる懐の深さがあります。この「オートマチックな安心感」と「マニュアルな操作性」のバランスこそが、OCパターの真骨頂と言えるでしょう。

OC(Onset Center)ロートルクパターの総括

スコッティキャメロン「OC」ロートルクパターは、パターデザインの歴史における「機能」と「感性」の融合点です。これまでのゼロトルクパターが、問題を解決するための「工業製品」的なアプローチだったとすれば、OCパターは問題を解決しつつ、使う喜びや持つ喜びを与える「工芸品」としてのアプローチをとっています。

「パターが入らない」という悩みに対して、フォームを修正するのではなく、物理的にミスの出にくい道具に頼ることは、現代ゴルフにおいて賢い選択です。特に、感性を大切にしたいけれど結果も欲しいという欲張りなゴルファーにとって、OCシリーズは唯一無二の相棒になる可能性を秘めています。

決して安い買い物ではありませんが、パッティングの不安が解消され、グリーン上が楽しみになるのであれば、その投資価値は十分にあるはずです。もしショップで見かけることがあれば、ぜひ一度その「ねじれない」感覚と「極上の打感」を体験してみてください。あなたのゴルフが変わるきっかけになるかもしれません。

モデル特徴推奨ユーザー
Phantom 11R OC高MOI、ラウンド形状、高い寛容性真っ直ぐ引いて真っ直ぐ出したい人
Studio Style Fastback OC操作性、SCSインサートの柔らかい打感打感重視、ブレードからの移行組

最後までお読みいただき、ありがとうございました。この記事があなたのパター選びの参考になれば幸いです。

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