
テーラーメイドの人気パター、スパイダーGTシリーズ。その中でも特に注目されるTM1とTM2について、どちらを選ぶべきか悩んでいませんか。
この記事では、スパイダーGTTM1とTM2の違いは何ですか?という中心的な疑問に答えるため、それぞれのスペックや市場での一般的な評価を詳しく比較します。また、両モデルに共通するスパイダーGT TM1 TM2 トラス構造の秘密や、どのようなストロークを持つゴルファーにどんな人におすすめなのかを明確に解説します。
さらに、ツアープロとスパイダーシリーズの関係や、中古市場で探す際のポイントにも触れていきます。近年、PGAツアーは、65%がマレット型になるなど、パターのトレンドも変化しています。この記事を通じて、あなたのパッティングスタイルに最適な一本を見つけ、よくある質問にもお答えしていきます。
- TM1とTM2の明確な性能差と設計思想
- あなたのストロークに合うモデルの見極め方
- 専門家や市場での客観的な評価
- 購入前に知っておくべき注意点や中古相場
結論から解説!スパイダーGT TM1 TM2どっちがいい?
- スパイダーGTTM1とTM2の違いは何ですか?
- スパイダーGT TM1 TM2はどんな人におすすめ?
- 有識者によるスパイダーGT TM1 TM2の評価
- スパイダーGT TM1 TM2のスペックを徹底比較
- 2モデルに共通するスパイダーGT TM1 TM2トラス構造
- オープンフレーム構造がもたらす高い寛容性
スパイダーGTTM1とTM2の違いは何ですか?

スパイダーGTのTM1とTM2における最も大きな違いは、ホーゼル(ネック)の取り付け位置と、それに伴う性能の特性です。TM1は操作性を重視した「トラスヒール」、TM2は安定性を追求した「トラスセンター」という設計思想が明確に分かれています。
このホーゼルの位置の違いは、パターの重心設計に直接影響を与え、ゴルファーのストロークタイプに対する適性を決定づけます。具体的には、TM1はフェースの開閉を積極的に使って打つアーク(弧)を描くストロークに適しているのです。一方、TM2はフェースの向きをできるだけ変えずに真っ直ぐ引いて真っ直ぐ出す、ストレートなストロークをサポートするよう作られています。
例えば、TM1はネックがヒール寄りにあるため、インパクトでフェースが返りやすく、ボールのつかまりを補助します。これにより、ボールを右に押し出してしまうプッシュアウトのミスを軽減する効果が期待できます。対照的にTM2は、シャフト軸線上で打点を感じやすいセンターシャフトの特性を持ち、フェースの開閉を極力抑える設計のため、ボールを左に引っかけてしまうミスが出にくいという利点を持つのです。
これらのことから、ご自身のストローク軌道や、どのようなミスの傾向があるのかを把握することが、両モデルを選ぶ上で最初の重要なステップになると考えられます。
スパイダーGT TM1 TM2はどんな人におすすめ?
前述の通り、TM1とTM2は設計思想が異なるため、それぞれ推奨されるゴルファーのタイプも明確に分かれます。操作性を重視するか、それとも安定性を最優先するかによって、選択肢は変わってきます。
TM1(トラスヒール)がおすすめな人
TM1は、自身の感覚でフェースをコントロールしたい、操作性重視のゴルファーに適しています。 具体的には、インパクトでフェースを開閉させながら距離感や方向性をコントロールしたい方や、ブレード型パターの操作感に慣れている方がマレット型へ移行する際の候補として最適でしょう。また、パッティングの際にボールが右へ抜けてしまう「プッシュアウト」のミスが多いゴルファーにとっては、TM1の持つ自然なフェースターンがミスの補正に繋がる可能性があります。
TM2(トラスセンター)がおすすめな人
TM2は、一貫した安定性と直進性を最優先したいゴルファーに最適なモデルです。 パターを振り子のように、真っ直ぐ引いて真っ直ぐ出すストレート軌道を理想としている方には、TM2の設計が強力な味方となります。特に、ボールをインパクトでつかまえ過ぎて左に引っかけてしまうミスが多いゴルファーは、フェースの開閉を抑制するTM2の特性から大きな恩恵を受けられるでしょう。ミスヒットへの寛容性が非常に高いため、とにかく安定してやさしく打ちたいと考えるゴルファーにおすすめです。
有識者によるスパイダーGT TM1 TM2の評価

スパイダーGT TM1とTM2は、その明確な性能差から、多くのゴルフメディアや専門家の間でレビューされてきました。特定の専門家のコメントを引用することは避けますが、市場における一般的な評価をまとめると、両モデルの性格付けは非常にはっきりしています。
多くの評価で共通しているのは、「操作性のTM1、安定性のTM2」という構図です。TM1については、アーク軌道のストロークにマッチし、フェースローテーションを使いやすい点が評価されています。一方で、TM2はセンターシャフトとトラス構造の組み合わせによる圧倒的な直進性とミスヒットへの強さが最大のメリットとして挙げられています。
ただし、一部の評価では、トラス構造の独特な見た目がアドレス時に気になってしまうという意見も見られます。性能面でのメリットは大きいものの、最終的にはゴルファー自身の構えやすさや好みが選択を左右するため、試打を通じてフィーリングを確かめることが強く推奨されています。
スパイダーGT TM1 TM2のスペックを徹底比較
TM1とTM2の性能差を理解するために、両モデルのスペックを比較してみましょう。基本的な仕様は共通していますが、最も重要な違いはネックタイプとそれに伴うバランス(トゥハング角)です。
スペック項目 | Spider GT TM1 トラスヒール | Spider GT TM2 トラスセンター |
---|---|---|
ヘッド素材 | 軽量アルミニウムボディ(6061)+ステンレススチールダブルウィング(303SS)+タングステンウェイト | 軽量アルミニウムボディ(6061)+ステンレススチールダブルウィング(303SS)+タングステンウェイト |
フェース | PURE ROLL™2 搭載 3mm厚インサート | PURE ROLL™2 搭載 3mm厚インサート |
ロフト角 | 3.0° | 3.0° |
ライ角 | 70° | 70° |
長さ(インチ) | 33, 34(日本仕様) | 33, 34(日本仕様) |
ネックタイプ | トラスヒール | トラスセンター |
バランス(トゥハング角) | トウヒールバランス(参考値:約20-25°) | フェースバランス(0°) |
シャフト | TaylorMade STEPPED BLACK PUTTER STEEL SHAFT | TaylorMade STEPPED BLACK PUTTER STEEL SHAFT |
グリップ | Super Stroke Pistol GTR 1.0 または GTX 1.0 | Super Stroke Pistol GTR 1.0 または GTX 1.0 |
表から分かる通り、ヘッド素材やフェースインサート、ロフト角、ライ角は両モデルで共通です。
決定的な違いは、TM1が「トラスヒール」ネックで、シャフトを水平に支えるとヘッドのトゥ側が下を向く「トウヒールバランス」である点です。公称値は発表されていませんが、多くの実測レビューではトゥハング角が約20~25度前後とされており、フェースの開閉を促す設計です。
対してTM2は「トラスセンター」ネックで、フェースが真上を向く「フェースバランス」です。この設計はフェースの開閉を抑えるため、ストレートなストロークを目指すゴルファーに適しています。また、長さは日本市場では33・34インチが主流ですが、USモデルなどでは35インチも存在します。
2モデルに共通するスパイダーGT TM1 TM2トラス構造
スパイダーGT TM1とTM2の性能を語る上で欠かせないのが、両モデルに共通して搭載されている「トラスホーゼル」です。この三角形のネック構造こそが、両モデルの安定性を飛躍的に高める鍵となっています。
従来のパターネックが、ヘッドをシャフト先端の1点のみで支える構造であったのに対し、トラスホーゼルは三角形の形状によってヘッドとシャフトを広い「面」で接続します。これにより、インパクト時に芯を外してしまった際のヘッドのねじれやブレを大幅に抑制する効果が生まれるのです。
テーラーメイドの社内テストの一例として、一般的なクランクネックでは打点のズレによりフェースが大きく開いてしまうのに対し、トラス構造ではその開きを大幅に抑えられる、というデータが示されることがあります。この安定性の高さが、トラス構造の最大のメリットです。
ただでさえ寛容性の高いスパイダーのヘッド形状に、このトラス構造による安定性が加わることで、相乗効果的にミスへの強さを高めているのです。
オープンフレーム構造がもたらす高い寛容性
前述の通り、トラス構造が安定性向上に大きく貢献していますが、スパイダーGTのヘッド自体が持つ「オープンフレーム マルチマテリアルデザイン」も、高い寛容性を生み出すための重要な要素です。
この設計は、ヘッドの中央部分に軽量な6061アルミニウムを使用し、ヘッドの両サイドにあるウイング部分に重量のあるステンレススチールを配置しているのが特徴です。このように異なる素材を組み合わせることで、重量をヘッドの外周に効果的に配分し、パターの慣性モーメント(MOI)を極めて高く設計しています。
慣性モーメントが高いということは、インパクトで打点が左右にブレても、ヘッドが回転しにくく、フェースの向きが変わりにくいことを意味します。つまり、芯で打てなかった場合でも、ボールの打ち出し方向や距離のロスが最小限に抑えられ、結果的にパットの再現性が向上するのです。
この独創的な重量配分と、トラスホーゼルの組み合わせが、スパイダーGT TM1/TM2の卓越した安定性とミスへの強さを実現しています。
購入前に深掘り!スパイダーGT TM1 TM2どっちがいい?
- Pure Roll 2インサートが生む打感と転がり
- PGAツアーは、65%がマレット型に
- スパイダーGT TM1 TM2の使用プロを紹介
- スパイダーGT TM1 TM2を中古で探す際の注意点
- スパイダーGT TM1 TM2に関するよくある質問
Pure Roll 2インサートが生む打感と転がり
スパイダーGT TM1とTM2のフェースには、どちらも「Pure Roll™2インサート」が採用されており、これが心地よい打感と安定したボールの転がりを生み出しています。
このインサートは、TPU(熱可塑性ポリウレタン)というソフトな素材と、硬質なアルミニウムを組み合わせた複合素材でできています。この構造により、インパクト時にはソフトでありながら、しっかりと芯を感じられる絶妙な打感を実現しました。打音が大きすぎず、かといって静かすぎないため、距離感のコントロールがしやすいと感じるゴルファーが多いようです。
さらに、インサートの表面には45度の角度で下向きに刻まれた溝があります。この溝がインパクトの瞬間にボールをしっかりグリップし、バックスピンを抑制して順回転(トップスピン)を促進する役割を果たします。インパクト直後からボールが滑ることなく順回転で転がり始めるため、芝目に負けにくく、カップまで理想的なラインを描きやすくなるのです。
このように、しっかりとした打感と安定した順回転の両立が、Pure Roll™2インサートの大きなメリットと言えます。
PGAツアーは、65%がマレット型に
近年、世界のトッププロが集うPGAツアーにおいて、パターのトレンドに大きな変化が見られます。かつては操作性に優れたブレード型が主流でしたが、現在では試合にもよりますが約60~65%の選手がマレット型やネオマレット型のパターを使用しています。
この変化の背景には、ゴルフコースの高速グリーン化や、ストロークデータを精密に分析できる弾道測定器の普及があります。データに基づき、より再現性が高く、ミスに強いパターが求められるようになった結果、慣性モーメントの高いマレット型を選択するプロが増加したのです。
スパイダーシリーズは、このマレット型パター人気の火付け役とも言える存在です。高い安定性と寛容性を武器に、多くのトッププロがメジャータイトルを含む数々の勝利を挙げてきました。スパイダーGT TM1/TM2も、このような現代ゴルフの要求に応えるべく開発されたモデルであり、プロが求める安定性をアマチュアゴルファーも享受できるパターと言えるでしょう。
スパイダーGT TM1 TM2の使用プロを紹介
「トラス」というテクノロジーは、ツアーでその性能が証明されています。特に日本では、稲見萌寧プロがブレード型のトラスパター『Truss TB1』を使用して輝かしい成績を収めたことで、その名が広く知れ渡りました。ただし、彼女が主に使用したのはブレード型であり、本稿で紹介しているマレット型の『Spider GT』シリーズとは異なるモデルである点には注意が必要です。
スパイダーシリーズ自体は、ダスティン・ジョンソン選手やローリー・マキロイ選手など、歴代の世界トッププレーヤーたちが愛用してきた実績があります。
『Spider GT TM1/TM2』という特定のモデルを長期間エースとして使用し続けるトッププロの情報は限定的ですが、これはプロが常に最新モデルや自身の状態に最適なクラブを模索するためです。重要なのは、スパイダーとトラスという、それぞれがツアーで実績を上げてきたテクノロジーが融合しているという事実でしょう。
スパイダーGT TM1 TM2を中古で探す際の注意点

スパイダーGT TM1/TM2は人気モデルのため、中古市場でも見つけることが可能です。新品よりも手頃な価格で購入できる可能性がありますが、購入する際にはいくつか注意すべき点があります。
第一に、クラブの状態をしっかり確認することです。特にフェース面のインサート部分に深い傷や剥がれがないか、ホーゼル部分にガタつきがないかをチェックしましょう。また、ヘッドの塗装欠けやシャフトの錆なども確認しておきたいポイントです。
第二に、グリップの状態です。グリップは消耗品であり、中古品の場合はすり減っていることが少なくありません。また、製造年によって標準装備のグリップが異なる場合があります(例: Super Stroke Pistol GTR 1.0からGTX 1.0への仕様変更)。好みのグリップでない場合や劣化している場合は、購入後に交換する必要があるため、その費用も考慮に入れておくと良いでしょう。
第三に、偽物の存在です。非常に稀ですが、人気モデルには精巧な偽物が紛れている可能性もゼロではありません。信頼できる大手の中古ゴルフショップやオンラインストアで購入することをお勧めします。個人間の売買を利用する場合は、特に慎重な判断が求められます。
スパイダーGT TM1 TM2に関するよくある質問
ここでは、スパイダーGT TM1とTM2について、ゴルファーから寄せられることの多い質問とその回答をまとめました。
初心者にはどちらがおすすめですか?
一般的には、よりミスに強く、オートマチックにストロークしやすいTM2の方が初心者には向いていると考えられます。特にパターの軌道が定まっていない段階では、TM2の直進性が大きな助けとなるでしょう。ただし、将来的にはフェースコントロールを覚えたいという意欲があるなら、TM1から始めるのも一つの選択です。
打感は硬いですか?柔らかいですか?
打感の感じ方には個人差がありますが、Pure Roll 2インサートは「ソフトでありながら芯を感じられる」という評価が多いです。金属インサートのような硬質で弾く感じではなく、かといって樹脂インサートのようにぼやける感じでもない、絶妙な打感が特徴です。
ノーマルのスパイダーGTとの違いは何ですか?
最大の違いはトラスホーゼルの有無です。ノーマルのスパイダーGTはシングルベントネックやスモールスラントネックなどを採用しており、構えた時の見た目がよりシンプルです。TM1/TM2はトラスホーゼルを搭載することで、ノーマルモデル以上の安定性を追求したモデルという位置づけになります。
なぜPGAツアーではあまり見かけないのですか?
初代トラスが登場した時期が、新型コロナウイルス感染拡大の影響でツアー活動が制限された時期と重なり、PGAツアーの選手に十分にテストしてもらう機会が少なかったことが一因とされています。また、文化的な背景として、日本のゴルファーの方がテクノロジーやデータに対する関心が高い傾向にある、という開発者の見解もあります。
最終結論!結局スパイダーGT TM1 TM2どっちがいいか
この記事を通じて、スパイダーGT TM1とTM2の様々な側面を解説してきました。最後に、あなたがどちらを選ぶべきか、最終的な判断を下すためのポイントをまとめます。
- TM1は操作性を重視するアーク型ストローク向け
- TM2は安定性を最優先するストレート型ストローク向け
- TM1は右へのプッシュアウトのミスを軽減しやすい
- TM2は左への引っかけのミスを抑制する効果が期待できる
- どちらのモデルもトラス構造によりミスヒット時の安定性が非常に高い
- ヘッドのオープンフレーム構造も高い寛容性に貢献している
- Pure Roll 2インサートが心地よい打感と安定した順回転を生む
- スペック上の大きな違いはネック形状とバランス
- TM1はトウヒールバランス(参考値:約20-25度)でフェース開閉を促す
- TM2はフェースバランス(0度)でフェース開閉を抑える
- 市場評価は「操作性のTM1」「安定性のTM2」で一貫
- マレット型パターは現代のツアーにおける主流となっている
- 中古で購入する際はクラブの状態やグリップの仕様変更に注意
- 初心者にはよりオートマチックなTM2が適している場合が多い
- 最終的な選択はご自身のストロークや感覚に合うかどうかで判断する